「東京の”今を生きる”ゲイを描きたかった」 東京Neighbors監督インタビュー

January 29th, 2018

東京のゲイに焦点を当てた短編シリーズ「東京Neighbors(とうきょうネイバーズ)」が、2ndシーズンとして帰ってくる。

 

今回はそんな短編シリーズを手がけた監督のシバノジョシア氏に、シリーズ制作のキッカケからシーズン2の見どころまで聞いてみた。

 

「東京Neighbors」とは?
2017年5月からYouTubeで公開された全12回の短編シリーズ。ツイッターを中心に大きな話題を呼んだ。2ndシーズンは2018早春よりスタート。
東京Neighbors|公式ツイッター

 

──ツイッターを中心に話題を呼んだ「東京Neighbors」ですが、制作のキッカケは何だったのでしょうか?

 

シバノ 私の本業はフォトグラファーとデザインなんですが、若い頃から映像を撮りたいという思いがずっとあったんです。ですが当時は撮影機材も高いし、どこかの映像プロダクションに入らないと制作できないなど、映像制作のハードルがとても高かったんですよね。

 

逆に今はハードルが下がっていて、誰でも制作できて発信できる時代。

なので、まずはお試しで作ってみようと数年前から自主の映像制作をスタートしました。

 

また、昔はストレート向けのテーマで映像を撮りたいと思っていたんですけど、やっぱり私自身ゲイで、ゲイコミュニティの中で生活をしているわけだし、「ストレートの人達ってこういう風に考えているよね」と想像で作品を創るよりは、より今の自分にとって身近なテーマを選びました。

 

──シリーズを観て、ドラマとしての派手さはないですが、ゲイたちの「今の空気感」を絶妙に捉えているなと感じました

 

シバノ いまメディアでLGBTが話題になっているので、その風潮に沿ったストーリーにすることもできたんですが、個人的にもう少し日常と言うか、恋愛や人間関係に悩む東京の”静かな多数派”のゲイを描きたかったんです。

 

日本はまだクローゼットのゲイの方が多いと思いますし、今のLGBTブームでは若干そういった人たちが置いていかれてるような面も感じるんですよね。

 

もちろんLGBTの権利運動はすごく大事だし活動されている方達はリスペクトしていますが、「東京Neighbors」は少し違った視点から描きたかったんです。

 

 

 

──YouTubeでの配信にした理由とは?

 

シバノ 以前、自主制作で長編映画を一本作り、渋谷のアップリンク等で上映会を開催し、おかげさまで盛況だったのですが正直20代以下のお客様が少なかったんです。

今の時代、映画を作っただけじゃ映画館に足を運んでもらえない。特に若い層の皆さんは、映像作品を観るスタイルが変わってきていると実感しました。

 

なので映像の発表スタイルは従来のやり方にこだわらず、みんなが普段使うツイッターや出会い系アプリの延長線上で気軽に観てもらいたいなと。そこでYouTubeでの配信に決めました。結果的にとてもよかったです。

 

──同シリーズでは、ほとんどゲイ当事者(素人)が演じていますよね

 

シバノ そうですね。そもそもオープンなゲイの役者さんって少ないですし、ストレートでルックスもゲイ受けする役者さんを選ぶっていう手もあったんですけど、あえて素人のゲイの人たちで構成しました。

 

もちろんプロ(またはアマチュア)の役者さんを起用する方が演技としての完成度は上がると思うんですけど、それをするとここまでツイッターで話題にならなかったと思うんですよね。

 

 

 

 

もちろん、これは今回の「東京Neighbors」での話なので、全てのLGBT作品を指しているわけではありません。

 

素人を起用することには一部批判もありましたが、逆にそこも話題になったというか。

未熟さゆえの面白さや親近感が、今回の作品にはなくてはならない要素だったのかなと思っています。

 

また、登場する6人の役者の中には、二丁目でお店をしているママもいれば、GOGOボーイ、またツイッターやインスタで見たことのある人たちが登場する、そのリアリティもまた視聴者にとっては面白さの一つだと思うんですよね。

 

──ストーリーを作る上で何か参考にしたことはありますか?

 

シバノ 元々、三谷幸喜さんも脚本を手がけてい『やっぱり猫がすき』という、シチュエーションドラマが大好きなんですよね。

 

実は「東京Neighbors」のオープンニング&エンディングは、『やっぱり猫が好き』のオマージュになっています。見比べてもらうと分かるんですが、猫が登場したりイラストを使う感じは、今回イラストを描いてもらった犬義さんと相談して決めました。

 

私が学生の時(1980年代後半)は、TVの深夜番組がとても面白くなってきた時期で。

ニッチでコアな番組が多くて、深夜にそれを観ている人にしか味わえない感覚というか、不思議な優越感がありました。

そんな深夜のシチュエーションドラマに大きく影響を受けて作品を作っています。

 

──シリーズについて、ユーザーからの反応はどうでしたか?

 

シバノ 最初YouTubeで公開した時、予想以上に反応があってビックリしました。

GENXYで記事にしてもらったのもありますが、身内で盛り上がる感じのシリーズを想定していたので、まさかこんなにツイッターで話題になるとは。。。笑

 

もちろん良い反応だけじゃなく、「安っぽい」「演技が微妙」などの厳しい意見もありました。

私が思うに、皆さん「ドラマ」って言うとTVが作るクオリティの高いドラマに見慣れているじゃないですか。それには多くのクリエイターやプロの役者が関わっていて、当然莫大な費用がかかっている。

 

上質な作品を観たければそちらを観ていただいた方がいいのですが、「東京Neighbors」は自主制作の短編シリーズですし、YouTube配信によって通常のTVドラマにはない面白さが内容・ギミックともに出せるのではないかと思っています。

 

 

 

 

嬉しかったことは、配信を終えてから期間が空いてオープニング&エンディング曲の楽曲配信をしたのですが、思った以上に反響があったことです。

 

楽曲は全て書き下ろしで、ビジュアルもイラストレーター・犬義さんに依頼したりと、かなり力を入れて取り組んだ部分なので、そこを評価してもらえたのは嬉しいですね。

オープニング&エンディング曲を聞けば「あ、東京Neighborsだ」と連想してくれるような、そんな存在になれればと。

 

 

*オープニング曲「 Thiago|I Don’t Care」|エンディング曲「つづき|逡巡歌」は、iTunes他にて楽曲配信中。詳しくは公式サイトにて。

 

──気になる2ndシーズンですが、気になるキャストやストーリーについて教えてください

 

シバノ 2ndシーズンに誰が登場するかは、ぜひ公開が始まってからのお楽しみに。

 

1stシーズンは全体的にほのぼのした雰囲気でそれをコインの表だと例えると、2ndシーズンはコインの裏側でダークサイドな部分を含めて描いています。ゲイの世界ならではのトラブルや、恋愛のドロドロした話題もありますよね。2ndシーズンは意図的にそういった部分を盛り込む事で1stと合わせて観た時に作品の世界観が広がる作りにしました。

 

また、1stと配信間近の2ndを結ぶスピンオフの動画集『東京1minutes』を、1月29日(月)からスタートします。(全6回)

 

1stシーズンに登場したゲイカップル(マサルとカイト)の結婚パーティー準備を、主人公カンジの視点で追う内容になっており、2ndシーズンのヒントも盛りだくさんです。

是非チェックしてみてください。

 

 

 

 

東京Neighbors|公式ツイッター

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