【コラム】ノーマライゼーションへの「覚悟」

August 16th, 2016

ゲイビーチ

 

Written by 英司(コラムニスト)

 

お盆も終わりましたがまだまだ残暑が続いていますね。筆者もプールや海やBBQ、お盆は台湾に旅行に出かけるなど、夏を満喫しています!

 

夏になると、某プールなどはお仲間さんの間で評判になり、SNSでの投稿なども相まって、自然発生的にゲイが集まるようになるなど、面白い現象も起きています(笑)

 

 

この夏、ある海岸を起点にして起きている議論

 

そんな中、千葉県某所に存在するある海岸が、ゲイのヌーディストビーチと化しており、(車上荒し対策という名目ではあるものの、地元では薄々噂にはなっているものと思われるため)警察が近くへ見回りに来るなど、当事者内からも「さすがにあの海岸はいかがなものか」という声が上がり始めています。

 

一方で、警察の見回りがあることに対して「立ち入り禁止の隔離されたスペースでやっていることなのに、取り締まろうとするのは同性愛者への差別だ」と言う人がいたり、当事者内から当該海岸への批判が出ることに対して「当事者が当事者を批判するのはけしからん!これは内なるホモフォビアによるものだ!」という声が噴出したりするなど、この夏、あの海岸を起点とした議論が発生しました。

 

 

この議論に対する筆者の考え

 

まず、筆者はこの海岸へ行っている人、行ったことのある人を批判する意図はなく、この記事ではこうした議論が生まれた背景について論じたいと思います。

 

その上で結論を言うと、筆者としてはこの件を差別やホモフォビアに結びつけた議論はナンセンスだと考えています。

 

まず、当該海岸がなぜ立ち入り禁止区域になっているのでしょうか。筆者の友人でも当該の海岸へ行ったことのある人が数名おりますが、海岸へ行くには道なき道を進まなくてはならず、かなり険しい上、がけ崩れの恐れもある場所と聞きました。

 

こうした危険区域への巡回に対してまで、「公権力の不当な介入」と決めつけるのは行き過ぎているのではないかと考えます。

 

また、ここは議論が別れるポイントではあるのですが、例え隔離されたような地域にある場所であっても、無関係な人に見られる可能性がある場合、公然わいせつ罪が適用される可能性があるものと考えます。

 

立ち入り禁止区域のため隔離された場所になっており、無関係な人に見られる可能性が少ないため公然わいせつ罪は適用にならないとの主張も聞かれますが、筆者は法律家ではないのでこの件については判断できません。

 

ただ、立ち入り禁止区域に指定されている場所に立ち入ること自体が危険な行為であることには変わりないですし、そうした行為が監視の対象となることを、同性愛者への差別を引き合いに出して批判することに理解を示すことは困難だと考えます。

 

 

「ゲイ特有の文化」と言って済む時代は終わった

 

ただし、日本ではこうしたいわゆる「野外ハッテン」行為等が長きに渡り放置・黙認され、一種のゲイ特有の文化として根付いていた点も忘れてはいけません。

 

特に大都市の複数の場所ではそうした行為が行われると噂される公園等がありますが、こうした所で大量の逮捕者が出たという話は聞きません。

 

こうした「黙認」というスタンスは、同性愛者という存在そのものを無きものとして扱い、社会的に曖昧な存在にしてきた日本社会独特の同性愛者への向き合い方に起因しているものと思われます。

 

当該の海岸が少なからぬ間放置・黙認されてきたのも、こうした背景があったからだと考えています。ただ、もう「ゲイ特有の文化だから…」と言っていられる時代は、終わってしまったのかもしれません。

 

次ページ >> ノーマライゼーションとビジュアライゼーションは表裏一体

 

OTHER

LOVE

正面 × 愛とセックス vol.2 ─ 30代 ゲイ 派遣社員 ─

LIFESTYLE

【コラム】旅行好きなゲイが多い3つの理由

LGBT

【コラム】縮小・撤退続きのLGBTビジネス。しかし!意外な優等生が出現

LGBT

【コラム】「テコの原理」で暮らしやすい社会を!

LGBT

【コラム】被害者のドラマツルギー ―成人を迎える皆さんへ―

LGBT

【コラム】差別発言に過敏にならない、差別心があってもそれを表明しない―