正面 × 愛とセックス vol.8 ─ 40代 ゲイ クリエイター ─

January 15th, 2017

「あなたにとって、愛とは、セックスとは、何ですか?」

 

本来、人も愛もセックスも多様であり、個人の恋愛を他人がジャッジするものではない。

 

「正面×愛とセックス」は、”普通に”生きるLGBT当事者の愛とセックスについて、赤裸々に語ってもらうインタビュー連載です。

 

 

── 40代 ゲイ クリエイター ──

 

 

 

 ーあなたにとってセックスとは何ですか

 

元々、そんなに興味が無いんだと思う。よく周りからも性の匂いがしないって言われるし。あまり話題にしないってのもあるけど、そんなにガツガツって感じでもないから。世継ぎを作らなきゃいけない立場でもなくて、そういうレールからは外れちゃってるから。名前を残さなきゃいけないっていう、家でもないので。そうなるとコミュニケーションとしてしか残ってないのかなって。

 

大学の時までは女の子と付き合ってた、その頃は自分がゲイだって思ったことはなかったんだけど。その子と別れてから30歳くらいまでは霞を食うような生活をしてた、色恋は全くなしで。一回そこのラインに乗っちゃうと、なくても全然平気なんだよね。

うっすら自分がゲイなのかな…って、もしかしたらその可能性もあるかもしれないって、たまたま、バイト先にゲイの子がいて、初めてそういう話をしたんだよね。

そして、30歳になる前に男で確認しようと思って。女の子とは経験があったから、男ともって思って。その時に勃つか勃たないかって言ったら、あっ男に勃つんだ、ってわかった。でも特に感動とかなくて、本当に自分の確認の為だけだったから。その時の相手はもう歳とかも覚えてないし、どこで会ったかも覚えてない。

 

その時は単純に人って面白いなって思った。他人と肌を合わせること自体が7~8年ぶりだったわけ。だけど、女って選択肢はなかったんだよね、なんでだろうね。霞を食いながら生きてた7~8年間に悟ったんじゃないのかな?それが29歳の時だから…うん…そのあとその人とは違う人と付き合ったと思うんだけど、短かった気がする。

 

ゲイって気付いた時にショックは全くなかったかな。今の職場では感づかれたからっていうか…アナタそうだもんね、って感じだったから。業界が業界だからなのか、周りも驚きもしないっていう。セクシャリティに対しての葛藤も全くなかったんだよね、そもそも、そんなにセックスしたいと思わないからなんだろうけど。

 

 

あ、これってGENXYに載るでしょ?

こういう公っていうか、他人に対して「ゲイです」ってわざわざ言ったことなんて無かったし、自分がゲイって公表した上で何かを発言するって初めてだなって考えたら、何だか面白いなって思って引き受けてみた。

個人的に、カミングアウトの是非に必要性は感じていないし、わざわざ言うべきことでもないし、隠すことでもないよねってスタンス。家族に対してバレたらどうしよう、ってのもなかったし、聞かれたら答えるけど、聞かれることもないし。親がさ、結婚どうするのとか子供どうすんのとか一切聞いてこない人で。兄はもうそんな気は無いみたいだし、姉も離婚してて、なんか途絶えるようになってんだよ、自分らの代で。

 

改めて振り返ると、すごい小さい頃に自覚はあったのかな?って思う事もチラホラあるけど、子供の頃は、同性を好きになる人がこの世に存在してる、って思い付きしなかったんだよね。

中学校の頃、近所に住んでた年上のお兄ちゃんが好きだったんだけど、感情も幼いから判断出来なかったんだよ。単なる好意なのか、仲が良いだけなのかって。小学校に入る前だったと思うんだけど、すごい年上のお兄ちゃんに、何かイタズラみたいなのされた記憶があるんだけど、それも朧げで、ハッキリ思い出せない。何をされたかも覚えてない、なんかそこに居たなってのは覚えてる。その頃、家が波乱万丈だったから、そういうところまで余裕が無かったのかもしれないけど。

 

母親が変な人で、いつも「可愛らしく生きなさい」って言ってたな。それを違う方向にとっちゃったのかな(笑)男らしくしなさいなんて言われたことなかった、関係無いのかもしれないけど。

 

 

7歳の時に転校したんだけど、よくある転校生イジメで「オカマ」って言われる虐められ方をするタイプの子だった。髪がマッシュルームカットだったからかもしれない。オンナ言葉みたいなのは話さないし、そういう風情も無かったと思ってんだけど、自分では。あのとき坊主にしてたら変わってたのかな…?そういう言葉を投げかけられるのは、ある意味洗脳かも?て思う時もあるよ、「オカマ」って言われることで。

思い返してみれば、そういう小さな、ん?てのはあったと思うんだけど、昔すぎて記憶が曖昧になってきてるし、結局は自分がゲイだったって事に対して、無理矢理結び付けちゃってるだけかも知んないし、とか考えちゃう。でも今さら女性に欲情することもないから、やっぱゲイなんだよ。確定(笑)

 

普段は、自分から積極的に出会いを求めたりってのも殆ど無いかな、アプリも眺めてるだけでほぼ使わないし。でも恋人と別れた後って、そういうのを使う頻度は増えがちで。寂しいのか、別れた恋人に対して鬱憤がたまってたのかわかんないけど、どこか心が乱れるんだろうね。

きっと、恋愛のプライオリティが低いんだよ。付き合うって自分の生活の一部を共有する事だと思うんだけど、自分にはちょっと無理があるのかなって、最近の彼氏と別れた時にあらためて思った。そういう意味ではセックスは別かな、2時間なら2時間で済むしね。誰かと時間とか場を共有するのは好きなんだよ…なんか矛盾してるんだけどさ。

 

 

仕事も音楽関係で技術職だから、一人で黙々とやってることが多くて。他人と関わるってことがあんまり無くて、そういう意味でも自分にとってのセックスはコミュニケーションとしての比重が高いと思うよ。

それ以前に、ある程度相手との意思疎通みたいなのが無きゃ嫌だしね。だから発展場は行かないかな。

だいぶ前に地方でさ、話をしたらできませんって人がいてビックリしたんだけど。◯◯マンションの◯号室で鍵が開いてるから来て、ってやり取りだったんだけど、途中で道がわかんなくなって、一回電話でやり取りして辿り着いたんだけど。さっき喋ってしまったからゴメン、出来ないって言われて。自分は、相手を知った方が出来るからさ。だから友達とか平気、だって知ってる人だから。だからって次から急に独占欲が出たりとか、好きになったりとかってのは無いかな。することによって、相手をより知れたから嬉しいというか、良かったなって気持ちはあるんだけど。

 

結構いろいろ知りたいんだよね、その人を。

SNSとかで知り合った人達って、あまり素性を語りたがらないけど、自分は結構そういうの聞きたいのね、知りたいというか。だから割と突っ込んじゃうの、職業とか生い立ちみたいなのとか。もともと興味あるから会ってみようとなるわけで。

 

SNSってみんなちょっとした芸能人っぽいっていうか、自分のこと知って欲しそうなのに、素性は語りたがらないって…不思議な現象だよね。だからセックスは、ただ話すより踏まなきゃいけない段階があるけど、コミュニケーションのひとつかな。だからと言って、スペシャルなコミュニケーションってワケでもなく。ただ、労力をかけた分だけ少し特別な気はするかもね。

 

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