生活のベースにスポーツがある
──杉山文野(フェンシング元”女子”日本代表)──
普段からスポーツをしている各界のインフルエンサーたちに、「スポーツのあるライフスタイル」について聞く連載企画。
フェンシング元女子日本代表のトランスジェンダー男性で、現在はLGBTの啓蒙活動を行う杉山文野さんに、自身のフィットネスライフとヘルシーな生活について聞いてみた。
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フェンシング元”女子”日本代表という経歴を持つ杉山さん。
現在は日本最大のLGBTパレード「東京レインボープライド」の共同代表理事を務めており、日本のLGBTの権利向上に務める立役者だ。
アスリートだった杉山さんだけに、「生活のベースにスポーツがある」と語る。
「選手時代から体を動かすことが当たり前の生活を送ってきたので、全く動かさないと逆に気持ち悪いんですよ。生活の中に必ず運動が組み込まれている。基本週一でジムいってウェイトトレーニングをしていますが、それ以外は家トレ派。お風呂上がりに腕立て、腹筋、背筋、ストレッチ、これをほぼ毎日していますね」
現役を引退して10年以上経っているのに、毎日カラダを動かしているのはすごい!
「毎日筋トレしている、っていうと驚かれるんですけど、自分にとっては日課なので全然苦じゃないですね。コツは無理なく続けることでしょうか。無理ない範囲で習慣にしていると続けやすいですから」
ちなみに杉山さんといえば、最近パートナーとの間に子供が生まれるというおめでたいニュースがあった。
「生まれて5ヶ月なんですけど、毎日子供と一緒にお風呂に入って、風呂上がりに子供を下に置いて、その上で腕立てをするんですよね。すごく喜ぶし自分も楽しいしで幸せな時間ですね」
子供と一緒の筋トレ動画を見せてもらったが、案の定めちゃめちゃ可愛い。。。
杉山さんを見ていると、健康のために無理して運動をするのではなく、日常のできる範囲で楽しみつつ継続している印象だ。
杉山さんにとってスポーツをする目的とは?
「体を動かした方が頭も動くんですよね。健康だし、頭も冴えるから仕事にもいいし、ご飯も美味しいしと、いいこと尽くし。フェンシングも筋トレも過去にはキックボクシングもやったりと色んなスポーツをしていますけど、スポーツって自分と向き合う時間みたいなところがあるので、心身ともに自分を鍛えてくれた存在ですね」
「あと思っているのは『生きるって体力』だなと、何かしたいときにカラダが動かないと何もできない。筋力や柔軟性などベースの体力があるかないかだけでカラダが疲れにくいですし、日常生活が大きく変わりますよ」
普段は体毛ケアしないけど、いろいろやりたくなりました
「スポーツは自分と向き合う時間」と語る杉山さん。自分と向き合いケアするのは、ジャンルは違えどグルーミングも一緒だろう。
普段、体毛処理はほとんどしないという杉山さんに、6月1日に新発売する「ボディトリマー」を試してもらった。
「初めて使ったんですけど、こんな簡単に綺麗に剃れるとは思ってなかったです。それこそ現役のときなんかはテーピングするので毛は剃っていましたが、最近はフェンシングから離れていることもあり、あまり処理はしていなかったんですよね。久々にやってみるとスッキリして気持ちいいですね」
杉山さんはホルモン注射を定期的にしていることもあり、男性ホルモンの影響で体毛はかなり濃いそう。
「基本、グルーミングといえば顔の毛だけで、体毛はあまり気にしてこなかったですけど、今日やってみて体毛ケアもいいなと思いました。
例えば袖からはみ出すぐらいに毛が生えているとか、指毛が伸びっぱなしになってたり、いらないムダ毛って意外にあるもんだなと」
そう語るように、「毛は生やす部分」と「ケアする部分」のメリハリを付けた方がいいのかもしれない。
ボディトリマー以外にも気になるグルーミング商品を使ってもらった。選んだのは「メンズヘアカッター」だ。
「普段からバリカンはよく使います。ツーブロックなので、刈り上げ部分の長さ調整は自分でしていますね。バリカンはアタッチメントを付け替えるタイプなんですけど、このメンズヘアカッターだとダイヤル式で長さが調整できて、アタッチメント付け替えないのがラクでいいですね。あと、普段つかっているアタッチメントが3、6、9mmしかないのですが、これは0.5mmづつで細かく調整できるのがいいです」
普段あまりグルーミングをしないという杉山さんだが、メンズヘアカッターやボディトリマーを使っているうちにあちこちケアしたくなったようだ。
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最後に、元アスリートということもあり、来年のオリンピックについて注目していることを聞いてみた。
「注目しているのはもちろんフェンシングですね。太田雄貴さんが会長になりいろんな改革も進んで世間からも注目を集めていて嬉しいですし、試合は応援にいきたいと思っています」
またLGBTの側面からもオリンピックは重要なターニングポイント。
東京オリンピックでは「プライドハウス」という、国内外にLGBTについて知ってもらうキッカケとなるコミュニティーセンターを設立予定。国内外のLGBTアスリートや、訪日外国人へのインフォーメーションを行うそうだ。
「今はみんな『2020年に向けて頑張る!』と向かっていますが、それだけではなく大事なのは『アフター2020年』なんですよね。五輪が終わったらすべて終わりじゃなく、五輪を良いキッカケとして色んなスタートにしてほしい。フェンシングはもっと広まってほしいし、LGBTのことももっと広がってほしい。そういう感じで捉えていますね」
Photo : EISUKE
Direction : Makito Uechi