2016/11/27

ギリシャ神話に登場する「LGBTの神々」20人

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意外かもしれないが、ギリシャ神話には、同性愛関係を持ったりLGBTだといわれる神々が多く存在する。

古代ギリシャの方が今よりも同性愛を受け入れていたのかもしれない。

 

今回は、ギリシャ神話に登場する「LGBTの神々&英雄」20人を紹介したい。

 

アキレス

 

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戦いでは無敵の神「アキレス」。

そんな彼も、友人のパトロクロスには恋の白旗をあげるしかなかったようだ。「イーリアス」の著者ホメロスは、アキレスとパトロクロスの同性愛関係について著書の中では明言していない。

 

しかし、パトロクロスがあの傲慢で有名なアキレスから同情を得ていたことから、多くの学者たちは二人の恋愛関係を指摘している。

パトロクロスはトロイアの王子ヘクトルによって殺されてしまうのだが、これに怒りに怒ったアキレスはヘクトルを殺し、その体をトロイアの街で引きずり回したという。

 

他のギリシャ神話も、アキレスがトロイラスというトロイアの王子の美しさに心を奪われたと語っている。

 

ゼウス

 

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様々な農家の娘との間に、半分は人間、半分は神様の半神を産ませた女たらしのゼウスが、オリンポス山の酌取りに選んだのはガニュメデスという少年だった。

 

ゼウスとガニュメデスの神話は、ギリシャの男性が少年と密かに性愛関係を持つための少年愛の基礎を築いたと言われている。

 

 

ナルキッソス

 

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ナルシストの語源でも知られる精霊ニンフと川の神の息子であるナルキッソスは、水面に映る自身の姿を見つめて生涯を終えたと言われている。

 

しかし、そんな彼が最初に恋に落ちたのは、自分自身ではなく、アメイニアスという男性だったそうだ。

だが、ボイオティアという地域のギリシャ神話によると、二人の関係にすぐに疲れてしまったナルキッソスはアメイニアスをフってしまい、フラれたことに絶望したアメイニアスは自殺してしまったそうだ。

 

アポロ

 

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文学において最も重要な神である太陽神アポロは、とんだ道楽者でもあったようだ。

ニンフたち(女の姿をして川や泉の辺に出て来る精霊のこと)とのイチャイチャに加えて、アポロにはマケドニアの王子ヒアキントスという恋人がいた。

 

アポロと円盤投げに興じていたヒアキントスは、円盤がぶつかり死んでしまう。

その後、ヒアキントスはアポロによってヒアシンスの花になった。

 

「ビブリオテーケー」と呼ばれるギリシャ神話についての本においても、アポロはトラキアの美男子タミュリスと歴史上初の同性関係を結んでいたと伝えられている。

同性婚は21世紀に始まったと思っている人たちに余談だが、アポロは婚姻の神ヒュメナイオスとも同性愛関係にあったそうだ。

 

クリューシッポス

 

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ペロポネソス半島の英雄クリューシッポスはネメアー競技会へ向かう道中、テーバイ出身の家庭教師ライオスに連れ去られて強姦された。

 

この出来事は、テーバイの北部で起きたと言われている。この神話は、三大悲劇詩人のエウリピデスによって書かれた。

 

ヘルメス

 

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ラグジュアリーブランド「エルメス」の元になった神・ヘルメス。

踵に翼のついた神々の伝令使ヘルメスは、男性との同性愛関係について多くの神話を残している。

 

ヒアシンスの花の神話の別バージョンとして、円盤にぶつかって死んだのはヘルメスの恋人クロッカスだったというストーリーもある。

 

また、いくつかの神話はヘルメスが英雄ペルセウスと恋愛関係にあったことも示唆。ダフニスが牧歌の考案者でヘルメスの息子と記述する神話がある中で、ダフニスはヘルメスの恋人だと言い伝える神話も存在する。

 

パン

 

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音楽の神パンは、神話に関する文書や芸術作品においてよく題材になった。

 

彫刻では、大きな陰嚢がぶら下がったペニスを勃起させながら男女を追いかける姿が頻繁に制作された。半分が人間で半分が羊のバイセクシャルであったとされている。

 

ディオニュソス

 

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ワインの神として知られているディオニソスは、インターセックスやトランスジェンダーの人々の神としても知られている。

アンペロスやイケメンとして有名なアドニスは、ディオニソスと同性愛関係にあったと言われている。

 

ディオニュソスはプロシムナスという羊飼いの案内の下ハデスに会いに行くことになったが、プロシムナスが道案内の対価として要求したのは愛の行為だったそうだ。

 

プロシムナスは案内の途中で死んでしまい、ディオニュソスと交わることはなかったが、死を悼んだディオニュソスは約束を守るために、木を使って勃起したペニスの彫刻を制作したと言われている。

 

ヘラクレス

 

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最も有名な英雄のうちの一人、ヘラクレスは課せられた「12の功業」の道中で数多くの男性と関係を持ったと言われている。

 

ディオメデスの牝馬をヘラクレスのために取っておいたが獣に殺されてしまったアブデロス、ヘラクレスとアルゴー船という船に乗っていたがニンフたちにさらわれてしまったヒュラス、ヒュドラーという9つの頭を持つ怪物の退治に貢献したイオラオスなど、ヘラクレスは勇ましく美しい男性と関係を持つことが多かったようだ。

 

特にイオラオスとの関係はテーバイで神聖化され、イオラオスの墓前では男性の同性カップルが愛の誓いを交わしたという。

 

ポセイドン

 

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古代ギリシャの詩人ピンダロスの「第一オリンピック祝勝歌」によると、ペロポネソス半島ピサの王ペロプスは海の神ポセイドンと関係を持っていたそうだ。

 

ペロプスは、ポセイドンにオリンポス山に連れて行かれそこで戦車競争のための特訓も受けたと言われている。

 

オルペウス

 

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亡くなった妻エウリュディケを取り戻すためにハデスのいる冥界を訪ねた神話で有名な吟遊詩人オルペウス。

 

ハデスは「冥界から出るまで後ろを振り返ってはならない」という条件を付け、オルペウスの後ろにエウリュディケを従わせたが、不安に駆られたオルペウスは冥界の出口寸前で後ろを振り返り、妻を永遠に失ってしまう。

 

ローマの詩人オウィデウスによると、オルペウスがその後女性を愛することはなく、代わりに若い男性たちを愛したという。

オルペウスは乱交中に狂乱する女性たちに八つ裂きにされるという悲惨な最期を迎えている。

 

ヘルマプロディトス

 

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ひょっとしたら、ヘルマプロディトスは物語に登場する世界で最初のインターセクシャルな人物かもしれない。

 

ヘルマプロディトスは、ヘルメスとアフロディテを両親に持つ美少年であったが、水浴びをしていた際にニンフのサルマキスに強姦され、体が一つに合体し両性具有となった。

 

古典美術において、ヘルマプロディトスは、女性の豊満な胸としなやかな体に男性器を持つ人物として描かれることが多かった。

 

カリスト

 

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狩猟・貞潔の女神アルテミスの従者であったニンフのカリストは、処女を誓った。

しかし、アルテミスに扮したゼウスがカリストに近づき誓いを破ってしまう。詩人ヘシオドスによると、ゼウスとの逢いびきがバレたカリストは息子のアルカスを出産する前に熊に変えられてしまう。

 

カリストとアルカスはその後、ゼウスの計らいによっておおぐま座とこぐま座になった。

 

アルテミス

 

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アポロの双子の姉アルテミスは、アセクシャルの処女ともニンフの愛人が沢山いたレズビアンとも言われており、彼女のセクシャリティは文献によって異なる。

 

愛人たちは、女狩人のキュレネやアタランテ、ヘルメスの孫娘のアンティクレア、月の女神ディアナだったと言われている。

 

また別の文献によると、先ほど紹介したカリストもゼウスと交わるまではアルテミスの愛人だったと言われている。レズビアンやゲイたちは、アルテミス・オルティア神殿でアルテミスを崇めたと言われている。

 

アマゾネス

 

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戦士の部族であるアマゾネスは、女性のみで構成されていた。

 

子孫繁栄のためにしかヘテロセクシャルな性行為を行わず、相手は近隣の村からさらってきた男性の奴隷や捕虜で、セックスは年に一度か二度のみだったという。では、男性と交わらずに女性同士でいる時はどうしていたのだろうか?

 

多くの学者は、アマゾネスたちは同性愛関係を持っていたのではないかと推測している。

その証拠にアマゾンの女王ペンテシレイアがトラキアの女狩人から愛の贈り物を受け取る姿が描かれた芸術作品が残されている。

 

テイレシアス

 

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盲目の預言者テイレシアスは7年間の間、男性から女性に変わってしまうという神話で有名だ。

 

女性として過ごしていたとき、ヘラの巫女となり、結婚して子どもを生んだ。

テイレシアスが神々によって元の男性の姿に戻された時、ゼウスはテイレシアスに「男性と女性、どちらが性行為を楽しむことができるか?」と聞いた。テイレシアスは「女性の方が10倍性行為を楽しむことができる」と答え、ヘラの怒りを買い盲目にされたという。

 

自分の意思で性別を変えたわけではないが、テイレシアスは、ギリシャ神話初のトランスジェンダーと言えるかもしれない。

 

アテナ

 

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知恵の女神でギリシャ最大の都市アテネの守護神でもあるアテナは、ほとんどの文献において処女であったと記されているが、アッティカの未婚女性ミュルメクスには、唯一恋愛感情を伝えたという。

 

しかし、ミュルメクスが「アテナが発明した鋤(すき)は自分の発明だ」と嘘をついたため、アテナは罰としてミュルメクスを芸術作品に変えてしまったという。

 

アフロディテ

 

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愛の女神アフロディテが、自身のセクシャリティをレズビアンだと明言したことはない。

 

しかし、レスボスの詩人サッポーは同性愛をテーマにした作品を数多く世に送り出し、アフロディテを「レズビアンやゲイのアライで守護神」だとのべている。

 

エロス

 

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アフロディテの息子であるエロスは、愛の神として知られている。

 

ローマ神話に登場するキューピッドは、エロスから多大な影響を受けている。

エロスは、次第にギリシャ神話において翼の生えた少年として、同性愛文化の守護神として描かれるようになった。

 

イシス

 

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イシスはエジプトの女神でありながらギリシャ人からも崇められ、性自認の問題を解決した神としても知られている。

イピスは女の子として生まれたが、息子が欲しかった父親に娘だということをバレないように母親に男の子として育てられた。

 

やがてイピスはイアンテという女性と恋に落ち婚約をする。結婚式の直前に、イピスはイシス神殿に自身が女性であることが解決し、イアンテと結婚できるよう祈りを捧げる。すると、イピスは男になったのだ。

 

ヘテロセクシャルな結末になってしまったが、LGBTの要素を含む神話であることは間違いないだろう。

 

Text via : Pride.com

 

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