毎年恒例、今年カミングアウトした有名人を振り返る人気企画。
カミングアウトする/しないは個人の自由だが、著名人によるカミングアウトは社会にポジティブな影響を及ぼしている。
今年カミングアウトした主な有名人をまとめて紹介!
Netflixドラマ「センス8」で知られる米俳優ブライアン・J・スミスが、ゲイであることをカミングアウト。
アメリカの中でも保守的な地域・テキサス州出身のスミスは、青春時代をこう振り返る。
「テキサスでクィアとして育つことはとても苦労しました」「学校で僕はイケてるわけでも、オタクでもどちらでも無かったけれど、どこにも居場所がなかった」
「常に自分自身のことをチェックしながら過ごしていました。僕が他人をジッと見ていないか、また他人を不快な気持ちにさせていないかなど」
俳優になった彼は、役を演じることによって孤独感が減り、また家族からのサポートがあったことで、カミングアウトを決意したそうだ。
韓国の人気オーディション番組「アイドル学校」に出演したK POP アイドル、ソム・ヘインが、バイセクシュアルであることをカミングアウトした。
「アイドル学校」は韓国No.1のガールズグループに育てるというオーディション番組で、日本でも放送されているため国内ファンも多い人気番組。
ソムは彼女にキスしている写真を投稿し、「チュチュ、私のガールフレンド」「私の可愛い可愛い彼女」などとコメントを付けて投稿した。
K POP女性アイドルのカミングアウトは今回が初めて。
YouTubeチャンネル登録者数150万人を超える人気YouTuberのケミオ(kemio)が、ゲイをカミングアウトした。
今年4月に発売した初のエッセイにて、「男性とも女性とも恋に落ちたことがある」「初めてお話しするんだけど、私の恋愛対象は男の人。昔は彼女がいたこともあって、そもそも好きな人の性別を考えたことがあまりなかった。だって人を愛することには変わりないから。ちな、今ウチはゲイ」とカミングアウト。
また、現在アメリカで暮らす中で、現地のLGBTQカルチャーに影響を受けたことも話している。
「日本を飛び出していろんな世界の人と出会って、オープンな人が多いことがとても勉強になった」
「好きな人の性別とかどっちでもよくない?男女の恋愛が当たり前だとか言ってる人はもう少しホカホカになった方が、世界みんなでピースピースだと思う」と、いつものケミオ節で締めている。
2019年に最も話題になったカミングアウトだ。
Netflixの人気番組『クィア・アイ』で美容担当を務めるジョナサン・ヴァン・ネスが、ノンバイナリーであることをカミングアウトした。
「年を重ねて、ますます自分がノンバイナリーだと自認するようになった。私はジェンダーノンコンフォーミング。だから、男性的な気分の日もあるし、女性的な気分の日もある。なんていうか、私のバイブスはいろんなところに拡散しているの」
「二元化された性別のステレオタイプを崩せる機会があるなら、どんなことでもしたい。ジェンダーは分けたり区別したりするのに使われることが多いけど、そんな社会の構造には馴染めなくなってきた。昔は『私ってすっごくゲイ!』って思っていたけど、小さな男の子や女の子にはありのままの自分をさらけ出してほしいと思っているの」
ジョナサンは、「自分がノンバイナリーになるとは思っていなかった!」と話す。
「これまでずっとゲイと思って生きてきたけど、それは自分が”そうならなきゃいけない”と思っていただけ」だと語った。
以前ゲイであることをカミングアウトしたサム・スミスが、男性でも女性でもない「ノンバイナリー」、そしてその性別も流動的である「ジェンダーフルイディティ」であるとカミングアウトした。
インタビューでサムは、ときたま頭の中が女性だと思うようになると語り、その上で真剣に「自分は性別を変更したいのか?」と自問自答するも、答えはNO。
「最近、ジェンダークィアやノンバイナリーの人々の記事を読んだんだ。読んでいるうちに『まじか!これ自分のことじゃん』って気づいたんだ」
「自分は男でも女でもない。その間のどこかに、連続体の上のどこかに浮かんでいるのだと思う」
サムは11歳の頃、異常なほどのエストロゲン(女性ホルモン)があり乳房が発達、それに気付いた母親が病院へ連れて行き、治すために脂肪吸引手術を行なったそう。
昔から肥満体型に悩まされており、「僕はとても女性的なカラダをしていたんだ」と話すが、ノンバイナリーだと自認することでようやく心が軽くなったと話している。
米陸上競技選手のカーロン・クレメントがゲイであることをカミングアウトした。
クレメントは、リオ五輪で金メダル、北京五輪の銀メダルに輝いた米陸上界のスター選手。さらに2018年に破られるまでは、400m屋内スプリントの世界記録を13年間も保持していた。
彼はインタビューに応え、今までのクローゼットなアスリートとして生きてきたことを赤裸々にこう語った。
「私は暗闇の中で愛し、暗闇の中に1人でいることに疲れていた。社会が考えていることのために、私はその部分を隠してきました」
「しかしもうバレても構いません。同じ性別の人を愛しても何も問題ないのですから。愛は愛。私は男性に惹かれます。それが私であり、それが私を今日のアスリートにした理由です」
「ル・ポールのドラァグレース」の人気クイーン、ヴァレンティーナが、ノンバイナリーであることをカミングアウトした。
同番組のシーズン9、オールスター4に出場し、そのファッション性と圧倒的存在感から一気にスターへ。インスタグラムでは100万超えのフォロワーを抱え、ドラァグレースの歴代クイーンでも上位の人気を誇っている。
そんなヴァレンティーナは、米ゲイ雑誌OUTにてノンバイナリーであることをカミングアウト。
「私はノンバイナリーだと自認している。完全に男性でもないし、完全に女性でもない。”女神”が一番しっくりくるかしら。私の性別は私自身なの」
米国フィギュアスケートのジュニアチャンピオン、アンバー・グレンがバイセクシュアル/パンセクシュアルであることを明らかにした。
現在20歳のグレンは、「私は人々にセクシュアリティを押し付けたくもないですが、かといって自分自身を隠すこともしたくありません」とインタビューで語った。
それと同時に、バイセクシュアル/パンセクシュアル女性たちがカミングアウトすると、周りから「(バイは)優柔不断だ」「これは単なるフェーズなんだよ(=いつかは治るよ)」と誤解を受けがちだとも述べている。
ちなみに、フィギュアスケート界はゲイのスケーターは多いが、女性は珍しい。グレンは現在米国女子では唯一カミングアウトした選手だ。
ラッパーのリル・ナズ・X(Lil Nas X)が、今年のプライド月間の終わりに、ツイッターにてゲイであることをカミングアウトした。
「すでに気づいていた人もいれば、そんなことどうでもいいって人、もう俺と話をしないって人もいるだろう。でも、プライド月間が終わる前に、『C7osure』をじっくり聞いてほしいんだ」
直接的にゲイという言葉を出してはいないが、LGBTQの象徴である「虹」の絵文字を使って、“自分はゲイである”と打ち明けている。
ツイートに出てくる彼の新曲「C7osure」の歌詞では、「同感だ、自分でもそうしたいし、そうしなくちゃいけない / 手放して、自由になるために自分の時間を使うんだ」「フリをするのはもう止めだ、あの予報士が言うように、自分を輝かせなきゃ」と、クローゼットからカミングアウトする心境が表現されている。
ゲイ嫌悪が残るヒップホップ界において、勇気あるカミングアウトしたリル・ナズ・X。
マイリー・サイラスなど著名セレブがサポートの意を表明した。
元ディズニーチャンネルのスター、ベラ・ソーンが、TV番組にてパンセクシュアルであることをカミングアウトした。
「私は実はパンセクシュアルだったの。自分でも知らなかった」「好きになる相手が女の子とか男の人とか、そういうことは関係ないの。彼とか彼女とか、これとかあれとか関係ない。文字通り、キャラクターを好きになるの。存在を好きになる感じね」と説明している。
俳優ウィル・スミスの娘で、現在は俳優、歌手、モデルと多方面で活躍しているウィロウ・スミスが、バイセクシュアル、ポリアモリーであることを明らかにした。
TV番組に出演したウィロウは、「恋愛関係ではなんでも起こりうる。私にとって必要なものは、男性と女性。それですべてよ」とバイセクシュアルであることをカミングアウト。
続けて、「私は男性も女性も同じように愛している。だから男性1人と女性1人と同時に交際したいと思う。だから私はこの2人とポリアモリーな関係を持てると感じている」とも語っている。
米アメフト選手のライアン・ラッセルが、ESPN誌にてバイセクシュアルだとカミングアウトした。
同誌のエッセイにしてラッセルは、「私の真実は、私は才能のあるアメフト選手、気の良い作家、愛する息子、兄弟、思いやるのある友人、優しい恋人、そしてバイセクシュアルだということです」と語った。
カミングアウト後に出演したTV番組にて、「チームはあなたの両性愛を受け入れてくれるだろうか?」との質問に対してこう答えている。
「勝利を目指すプレーヤーにとって、そのセクシュアリティは重要ではありません。(アメフト界に)LGBTQプレーヤーがいない場合、公然とLGBTQプレーヤーをサポートすることはできませんからね」
「誰かがその最初の一歩を踏み出さなければなりません」
カナダ人YouTuberのリリー・シンは、チャンネル登録者数1400万人を超える世界のトップYouTuberの1人。
フォーブス誌が選ぶインフルエンサーランキングでは世界一位に輝いており、現在はYouTuberの枠を飛び出し、米国の4つの放送局にてホストする番組を持つほどの人気ぶり。
そんな彼女はTwitterにて、「(自分は)女性、有色人種、そしてバイセクシュアル」とカミングアウト。「私の人生を通して、これら3つのことは時々障害になることもあります。しかし今は完全に受け入れているし、私の超人的な力だと思っています」と語っている。