2019/11/14

ゲイカップルの「オープンリレーションシップ実態」(後編)

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あなたは「オープンリレーションシップ」を知っているだろうか?

 

オープンリレーションシップとは、交際をしているカップルが、お互い同意の元で他の人とセックスをする行為。

欧米のゲイカップルの中ではよく見られるが、日本ではなじみが少ない。

 

そんな知られざる日本のオープンリレーションシップ実態をGENXYでは徹底調査!

実際にオープンリレーションシップを行い、良好なカップル生活を送っている4人に話を聞いた。

(前編はこちらから)

 

 

Illustration : MAKITO

 

今回は、「付き合った当初からオープンリレーションシップをしている」という2人のケースを紹介。

 

1人目は、大阪在住の40歳・コウジさん(仮名)だ。

 

オープンリレーションシップの失敗談から意気投合

交際歴は8年で、交際当初からオープンリレーションシップをしている理由は「遠距離が理由」だと話すコウジさん。

 

「付き合う前から彼氏がワーキングホリデーで海外に行くことは決まっていました。『付き合いたいけど、セックスはどうしようか?』みたいな話の流れでオープンリレーションシップをすることなりましたね」

 

遠距離でオープンリレーションシップの提案は自然な流れに思えるが、驚くのは、お互い過去にオープンを試みるも失敗していたという経歴をもつこと。

 

「元彼が浮気をしていたんですよね。それを裏で知っていたので、僕から『オープンリレーションシップっていうのがあるけど、試してみる?』と提案しました」

 

「それなのに彼は『え~どうしようかな』と言いながら考えているフリをしたんですよね。僕が浮気を知っていることは言及していないので、正直に話して欲しかったのですが隠れて浮気しているくせにその反応が白々しくて、一気に萎えちゃいました」

 

そのあと、暫くの間はオープンリレーションシップを試してはみたそうだ。

しかし、元彼は決めたルールを破り、徐々にエスカレートしてきたという。

 

「ルールとして『相手の家にお泊りしないでね』『ウチへは呼ばないでね』などいくつか決めていたんですが破られたんですよね。それが直接の原因ではないですが、その後上手くいかなくなり最終的にお別れしました」

 

あえて厳格なルールは決めない

オープンリレーションシップは今回で2度目のコウジさん。

過去の経験から、現在ではどんなルールを設けているのだろうか?

 

「話し合って決めたのは、①セーファーセックスをすること、②セックス相手に彼氏がいることを伝えること、の2点だけですね」

 

意外にも「厳格なルールは決めない」というスタンスだそう。

過去にルールを破られた経験があるのであれば、その失敗を生かして厳しく設定しそうな気もするが?

 

「『ここまでOK/これはNG』など細かく決まり事を決めると、人は心理的に破りたくなると思っていて、おおざっぱなルールにしています。お互いもういい大人ですし、その人の裁量に任せる方がいいのでは?という感じです」

 

おおざっぱなルール設定には、お互い信頼できる関係であることが大きい。

「元彼と今彼を比べると、明らかに信頼度が違いますね。元彼の場合は心から信頼しきれていなかったからこそ、厳しくて要らないルールを作ってしまったのかも」

 

「信頼度が高いからこそオープンリレーションシップが成立していると思います。逆に信頼度がないカップルはやめたほうがいいかなとも思いますね」

 

このオープンな関係を、友人や他の人に話すことはあるのだろうか?

 

「全然ありますね。彼と遠距離していると話すときまって『セックスはどうしてるの?』となるので、自然な流れでオープンリレーションシップをしているとは伝えています」

「僕はあえてあっけらかんと話すようにしていて、それを聞いた人たちのリアクションは、この関係性をなんとなく羨ましく思っている人が多いかなと(笑)。ちなみに僕らの話をキッカケにオープンリレーションシップをはじめたカップルもいますね」

 

最初は彼氏さんのワーホリきっかけでスタートしたオープンリレーションシップ。彼氏さんはワーホリを終え、現在も海外で働いており、遠距離恋愛なのは変わらずだという。

 

もし、いま彼氏さんが日本に戻ってきたらオープンな関係を続けるかどうか?と聞いたところ、コウジさんは「日本で一緒にいてもオープンにすると思う」と即答した。

 

「彼とは今でもセックスはしています。ここが重要なポイントで、”2人でセックスすることを前提にオープンリレーションシップをしている”ということです」

 

「自分でも意外だったのが、(オープンリレーションシップをしてから)あまり他に目が行かなくなりました。ガツガツしなくなった、というのが正しいのかも?いつでもセックスできる環境だからこそ、逆に頻度は落ちましたね」

 

他の人とセックスできる環境ではあるものの、その中でもやはり彼氏とのセックスは特別だと話す。

 

「彼とセックスすると”元に戻ってきた”感触というか、慣れ親しんだ感覚がありますね。あぁ、この人と付き合って良かったな、と感じる瞬間です」

 

嘘ついて浮気するよりも、オープンでセックスしてくれた方が安心

これまでオープンリレーションシップの良い面を語ってもらったが、逆にデメリットを挙げるとすれば何だろうか?

 

「(不特定多数とセックスすることで)病気のリスクは上がりますよね。あとは、彼氏がセックス相手と肉体だけでなく精神的にもつながってしまうのでは?もしかしたら乗り換えてしまうかも?といったリスクかなと。でも、それってオープンしてもしてなくても、付き合っていたら伴うリスクだとは思いますけどね」

 

ゲイカップルの中には、オープンリレーションシップを試してみたいけど「相手には提案しにくい…」と悩める人もいるが、そんな人にアドバイスを送るなら?

 

「普段からセックスの話ができる関係性であれば、オープンリレーションシップの提案もしやすいと思います。オープンにするかしないかは置いといても、普段からセックスの話はした方がいいと思っていますね」

 

「まず大前提として”長く付き合うから提案している”という姿勢が大事だと思います。長く付き合う為の1つの手段としてオープンリレーションシップがあるという感じです」

 

「あとは、あまり急ぎ過ぎないほうがいいかと。話し合った今日から!来週からスタート!ではなく、ゆっくりお互い話し合って進めていけばいい」

 

コウジさんは、「他人が僕らの関係を見ると『不特定多数とスポーツ的にセックスしたいだけでしょ』といったマイナスイメージを持たれることが多いです」と前置きをしつつも、自分の交際スタイルには適していると話す。

 

「僕は嘘が嫌いなので、相手がオープンリレーションシップでセックスしてくれた方が安心なんですよね」

 

たしかに、同じセックスをする目的であっても、「嘘をついて浮気でセックスする」ことと「オープンでセックスする」ことは受け取り方が違う。

 

オープンリレーションシップは、ゲイカップルが正直に付き合っていく為の一つの手段なのかもしれない。

 

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