日本では古来より、男性が女装を、女性が男装をする「異性装」の文化があることを知っているだろうか?
歌舞伎や浮世絵に代表される「女装・男装」にフォーカスした企画展「江戸の女装と男装」が、東京・太田記念美術館で開催される。会期は2018年3月2日~25日まで。
女装・男装文化は、西洋・東洋、広く世界中で見られている文化。
日本では、「古事記」のヤマトタケルが女装して熊襲を退治した話や、歌舞伎には女形、女装の盗賊・弁天小僧をはじめ、異性装の登場人物が多数登場。
浮世絵にいたっては、歴史や物語に登場する人物の男女を入れ替えて、その時代らしい描写に仕上げる絵が多く存在する。
この「男女が入れ替わる」という点は、大ヒット映画「君の名は。」と構想が似ているが、これが特段新しい発想ではなく、すでに江戸時代には存在していたことがわかる。
同展では、江戸時代に描かれた浮世絵を通して、男女の境界を自由に行き来する江戸の風俗や文化に迫る。
これは、現在のLGBTなどのセクシャルマイノリティやジェンダー論にもつながる、非常に興味深い企画展だ。
もしかしたら、日本のドラァグクイーン(キング)のルーツは、江戸時代にあるのかもしれない。