『ティファニーで朝食を』などで知られる20世紀を代表する米作家、トルーマン・カポーティ。
波乱に満ちたカポーティのドキュメンタリー映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』が11月6日に劇場公開されることがわかった。
トルーマン・カポーティは、1958年の『ティファニーで朝食を』、1966年の『冷血』など、数多くの傑作小説をのこした20世紀のアメリカ文学を代表する作家。
当時、ニューヨーク文学界の寵児として、またゲイのセレブリティのアイコンとして社交界を席巻した。
そんなカポーティーは『冷血』の大成功をへて、次回作『叶えられた祈り』が出版されるはずだった。
しかし第一章が発表されるやいなや、ニューヨークの上流階級のスキャンダラスを扱った内容に激しい論争がまきおこる。彼は社交界から追放され、酒とドラッグにおぼれ苦しんだ挙句、作品の完成を待たずしてこの世を去る。
そんな早熟の天才、カポーティーを追ったドキュメンタリー映画。
先日公開されたポスターのカポーティの写真は、当時絶大な人気を誇った写真家・アヴェドンによって撮られている。
コピーには、「私はアル中である。私はヤク中である。私はホモセクシュアルである。私は天才である。」と本人の言葉が記載されている。
傲慢さを感じる本人の言葉どおり、カポーティーは周囲から「誰もが一度は会いたいと願うが、一度会えば二度と会いたくない男」と呼ばれており、「ゲスな男」「奇人」「ドラッグ漬け」「砂糖漬けのタランチュラ」など評判は最悪だった。
絶頂を極めたカポーティは、なぜ自らの地位をおびやかすスキャンダラスな本を執筆したのだろうか?
本作は死後36年を経て、彼の波乱に満ちた人生を解説しながら、未完となった問題作『叶えられた祈り』をめぐるドキュメンタリーとなっている。
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は、11月6日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて劇場公開。