米アパレルブランド「アバクロンビー・アンド・フィッチ(以下アバクロ)」の元CEOマイク・ジェフリーズ氏が、過去に複数の男性たちに性的搾取した疑いがかかっている。
今月、英BBCの独自調査で発覚した。
マイク・ジェフリーズ氏(79)は、1990年代から2000年代にかけてCEOを務めていた人物。
BBCが取材した被害者は12人で、彼らはジェフリーズ氏と、その相方であるマシュー・スミス(60)氏が主催したセックスパーティーに参加していた。
ジェフリーズとスミスは2009年から2015年にかけて、米ニューヨークやフランスのパリ、イタリアのベニス、モロッコのマラケシュなどで頻繁にセックスイベントを開催し、そこで若い成人男性らを多数搾取しているとBBCは報告している。
参加した男性たちは、セックスパーティーとは知らずに半ば強制参加させられ、外部に秘密をもらさないよう「秘密保持契約」を結ばされていたという。
彼らは参加の際に、アバクロでのモデル登用をちらつかせられたと話しており、これは権力を利用した性的搾取の典型だ。
2000年代に黄金期を迎えたアバクロは、日本にも銀座に出店。一大アバクロブームを巻き起こし、ゲイたちを熱狂させた。
しかしご存知のように、2010年代に入り衰退を辿っている。
昨年公開されたアバクロのドキュメンタリー映画では、同社が近年抱えていた問題の一端が明かされていた。
たとえば、アバクロでは「痩せていること」が理想化されたり、特定の美的基準が賛美されたりしており、そうした基準は顧客だけでなく店舗スタッフにも当てはめられていた。
ブランドの支持者であるゲイたちからも「ルッキズムを生んでいるのでは?」という批判も多かった。
BBCはジェフリーズとスミスに取材を申し込んだが、いずれも返事はなかったという。