米ニューヨークにて3月31日、大麻が合法として認められた。
これまで、医療用大麻としては認めていたものの、個人の使用や栽培を認める「嗜好品」としての大麻解禁となる。
ニューヨーク州のクオモ知事は31日、州議会で可決した大麻に関する法案に署名。
クオモ氏はツイッターへの投稿で、過去に大麻絡みで有罪になった人たちの犯罪歴が、自動的に抹消されると説明。「歴史的な1日となった」とツイートしている。
大麻の販売を州が管理することで、多額の税収を見込めるほか、闇組織の資金源となることを無くす目的だ。
大麻は許可を得た小売店で販売され、21歳以上の成人であれば購入できる。
ただし、大麻を使用した際の車の運転は禁止されるなどの一部規制が設けられている。
ちなみに、アメリカではお酒と喫煙は21歳から認められているため、大麻はそれらと同等の扱いとなる。
ニューヨーク州によれば、合法化によって年間3億5000万ドル(日本円で385億円)の税収が見込め、また最大で6万人の雇用の増加が生まれるとしている。
アメリカでは、嗜好品の大麻は首都ワシントンのほか西部カリフォルニア州など15の州で認められている。
他の国に目を向けると、オランダ、カナダでは全面解禁されている。
ここ数年で、世界的に大麻への研究が進んでおり、その医療用としての効果の高さが見直されてきている。
たとえば、睡眠障害の改善、うつ病の改善、パーキンソン病、がんの痛み緩和など、医療では幅広く使われている。
医学雑誌「ランセット」に掲載された、さまざまな薬物の依存性や害を比較したリストを見ると、依存性が大きい薬物は、ヘロイン、コカインが上位。
続いて、タバコ、アルコール、睡眠薬(バルビツール)、覚醒剤、大麻となり順位は7番目。
実際の害についての研究では、ヘロイン、コカイン、睡眠薬、アルコール、覚醒剤、タバコ、大麻の順で7番目。
わたしたちが日常的にとる、アルコールやタバコの中毒性、実害よりもはるかに低いことが明らかになった。
このような研究から、世界的に大麻をアルコールやタバコと同じ「嗜好品」として認めてもいいのでは?という流れに。
嗜好品として認めずとも、非犯罪化にするべきという論調が主流になっている。
一方の日本では、大麻は「大麻取締法」に含まれ、所持・使用が厳しく禁じられている。
今回NY州で認められたが、大麻取締法は国外でも適用されることがあるので、旅行などで使用することは控えよう。