大阪市にて、ゲイカップルが里親認定をしたことがわかった。産経新聞、NHKら各紙が一斉に報じた。
厚生労働省によると、ゲイカップルが養育里親に認定されたのは過去に例がないとして、全国でも初の事例とみられる。
養育里親認定を受けたのは、30代と40代のゲイカップル。2月より、大阪市から委託された10代の子供1人を預かっている。
NHKによると、大阪市は市内に住むゲイカップルから、養子縁組を結ばずに一定期間、子供を預かり育てる「養育里親」になりたいという申し出を受け、その後、児童相談所による調査などを経て、2016年12月に2人を里親に認定した。
里親制度とは、親の不在や虐待などで家庭で暮らせない子供を希望した世帯が預かる仕組み。
この里親制度には様々な条件があり、また各自治体がガイドラインに沿って運営をしている。主には「経済的に困窮していないこと」が挙げられるが、「同性カップルかどうか」は条件に入っていないそう。
イギリスでは同性カップルが迎えた養子数が急増
ちなみにイギリスでは、2005年に同性カップルに異性カップルと同じ養子縁組の権利を認める「市民パートナー」法が施行された。(2013年には同性婚法案可決)
LGBT養親/里親家庭支援団体によると、英・イングランドで同性カップルに引き取られた養子の数は、2007年時点で90人だったが、2014年には340人に増加。伸び率はなんと約3.8倍という高い結果となった。
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日本で社会的養護の対象となっている子供は、2017年3月時点で約4万6000人。
大半は児童養護施設などで暮らしており、里親に預けられているのは4973人と約1割程度しかいない。
日本の里親制度の普及率は12%(2011年時点)と、世界の先進国に比べ平均5分の1以下という非常に低い水準。施設依存型なため、ほとんどの児童が里親に引き取られず成人に至る現状がある。
今回の大阪市での事例をきっかけに、子供を持ちたくても持てない同性カップルが養子を迎え入れることができれば、里親制度の普及につながるのではないだろうか。