米国小児科学会が発表した新たな研究によると、ゲイである父親の子どもは、異性愛者の子どもと同じようにすくすくと健康に育ち、幸せであることがわかった。
研究のために行われた調査は「ゲイである父親の子どもの経験(Experiences of Children with Gay Fathers)」と銘打たれ、米国47州より、732人のゲイである父親からオンラインにて回答が集まった。
「子どもが不幸せ、もしくは気持ちが落ち込んでいる」という質問に対しては88%の回答者が「いいえ」と答えた。この回答は、米疾病予防センターのすべての親向けに行われた同様の質問への「いいえ」の回答率である87%を1%上回る。
調査によって以下のことも明らかになった。
・ゲイである父親の子どもの72%が日々の生活に「あまり心配していない」。すべての親向けに行われた同様の質問では75%が「あまり心配していない」と回答した。
・36%の子どもが異性愛によって生まれゲイである父親に育てられている、38%の子どもが養子や里親として育てられている、14%の子どもが代理出産を経ている。
・ゲイである父親が直面する困難としては、親権をパートナーと共有すること(33%)、子どもを養子として引き取ること(41%)、代理出産を経て子どもを授かること(18%)が挙げられた。
・20%から30%の回答者が「家族や友人、その他の人々との関係の中で宗教が原因でゲイとして父親であることに困難を感じた」と答えている。
・回答者の1/3が「自身の子どもが友人から、からかいやイジメを受け、辛い思いをしている」と答えた。
同調査は、UCLA・アムステルダム大学・コロンビア大学の3大学によって最近行われた調査とも一致する結果を示している。
3大学の調査は「同性カップルか異性カップルであるかは、カップルの関係性、親子の関係性、子どもの健康、子どもの精神的な困難、子どもの環境適応能力・学習能力に異なる影響を及ぼさない」ことを明らかにした。