レズビアン×ゲイの妊活を描く台湾映画『バオバオ フツウの家族』が、9月28日(土)に日本公開が決定した。
日本公開を引っさげて、主演俳優のクー・ファンルーがPRのため来日!本作の魅力について語ってくれた。
『バオバオ フツウの家族』は、赤ちゃんが欲しいと願うレズビアンカップル&ゲイカップルが、共同で妊活を行うというストーリー。
仲良し4人で純粋に「子供が欲しい」とスタートした妊活だったが、徐々にすれ違いが生まれ、最後には衝撃の結末を迎える─。
主演俳優のクー・ファンルーは、レズビアンカップルの一人、ジョアン役を演じている。
ジョアンはスラっとした長身にクールな眼差しが印象的な、ロンドン在住のバリキャリウーマン。
パートナーのシンディを精神的にも経済的にも支える、頼り甲斐のある姐御キャラだ。
台湾版「花より男子」の出演など台湾では人気俳優のクーに、レズビアン役のオファーを受けた時の心境をたずねると、「プライベートの友達の中にもLGBTはたくさんいます。私の生活の中では自然なことなんです」と、LGBTフレンドリーな彼女らしくサラリと話す。
特に、本作のリアルな脚本に心を打たれ出演を決めたそうだ。
「本作の脚本家は、子供が欲しいと願うレズビアンの方なんです。彼女は、『どうしてレズビアンのカップルは子供を持てないのか?』『同性カップルでも子供を持つことができるようになってほしい』という思いで脚本を書いています。当事者が書いたストーリーなので、とてもリアルに作られているんですよ」
「私が役を演じることで、彼女たちの気持ちを代弁できるのが嬉しいです」
本作はドタバタなコメディ要素もある一方で、同性カップルにまつわる様々な問題を浮き彫りにする非常にシリアスな映画。難しいジョアン役を演じる中で、苦労した点とは?
「レズビアン役を演じること自体はそんなに難しくはなかったです。あとは衣装の影響も大きかったですかね。革ジャンやナベシャツを着ると自然と役に入ることができました(笑)」
「レズビアン役を演じる難しさよりも、彼女たち(ジョアンとシンディ)がどれだけ辛い思いをしているかということを表現することの方が難しかったです。ジョアンは非常に仕事ができる女性であり、すべて思い通りにしてきた人生だった。その彼女が(妊活問題で)どれだけ辛い思いをしているかを深く深く考えることを意識しました」
本作が台湾で公開された昨年11月は、ちょうど同性婚の国民投票のタイミングだった。
映画を観た台湾のLGBTコミュニティの反応とは?
「様々なリアクションがあって嬉しかったですね! LGBTであることを打ち明けてくれた友人もいたし、あるレズビアンの方は感動して何度も観に行ってセリフを丸覚えしてくれたり。また、ホモフォビックだった妻子持ちのストレート男性が、映画を観て感動したって言ってくれたりと、映画が様々な良い影響を与えてくれたと思っています」
最後に、映画に込めた思いを聞いてみた。
「この映画のテーマは”愛”なんです。いろんな立場、いろんな人から見て、愛はどういうものなのか?愛とは何だろう?と、愛を探してもらう映画だと思っています」
「また、副題が『バオバオ フツウの家族』と名付けられていますが、映画を観た人が、”フツウの家族”っていったい何だろう?と、考えるキッカケにしてくれたら嬉しいですね」
映画『バオバオ フツウの家族』は、9月28日(土)より新宿K’s cinemaにて公開予定。