ゲイにとって永遠のテーマ「タチ or ウケ問題」。
アトランタのアメリカ疾病予防管理センターが、205人のゲイ男性を対象に自身の性行為のポジションについての自認が、性行為のみならず日常生活にどのような影響を及ぼすかについて調査を行った。
自身をタチだと考えている人は、自身をウケだと考えているよりも、あらゆる性行為において挿入行為を頻繁に行う。噛み砕いて言えば、アナルセックスからオーラルセックス、セックストイを使った行為に及ぶまで、タチは、常に挿入役であることが多いのだ。反対に、ウケはどのような性行為でも受け入れる側になることが多い。
また、タチはウケやリバの人よりも、自身をゲイと名乗ることに抵抗があるそうだ。そしてタチの方が、過去3ヶ月の間に女性と性行為を行っている可能性が高い。自身が同性に欲情することに嫌悪してしまい、ホモフォビアを内在化してしまうのもタチの人に多く見られる傾向だそうだ。
リバの人は、精神的に健康であることも明らかになった。
研究者は「リバは、刺激を追い求め、セックスへの恐怖心が強くなく、あらゆる役割や行為に柔軟だからではないか」と推測している。
また研究者は、HIVと性行為のポジションの関係についても言及しており「タチの人たちは、自身をゲイと名乗ることに抵抗があり、ゲイの人たちが集まるところに行くことが少ないため、ゲイ向けのHIV予防啓発のメッセージを受け取る機会が少ない。タチの人の中にはバイセクシャルの人も多く、彼らにしっかりとした予防啓発ができなければ、彼らが女性にHIVを移してしまう可能性もあるだろう」とタチの人たちへの性感染症予防啓発の必要性を指摘している。
同調査によると、タチやウケ、リバというポジションは、単に性行為中の役割に収まらず、社会的や身体的な相関性もあるという。そのため、性行為のポジションの話は、付き合う前にしっかりとしておいたほうが賢明かもしれない。
タチ同士、ウケ同士だと、性行為が成立しにくいことはもちろんなのだが、タチはウケよりも、好戦的だったり、独断的だったりすることが多いなどと言われるように、ポジションは性行為外にも影響を及ぼす可能性が高いそうだ。