なぜ、彼らはそうまでしてステージに立ち続けると思いますか?
彼らから聞くに「パフォーマンスをすることの必要性」と答える人が多いですね。パフォーマンスなしの人生は考えられないと。表現したいことがあるからこそ、そのメッセージを伝える為にステージに立ち続けていると思います。
ドラァグをすることで様々なリスクがあっても「それを受け入れて楽しんでくれる人達に見て欲しい」という強い思いを感じましたね。
取材をしていて、良かった点や感動した点などはありますか?
撮影最後に出演してくれたみんなで集まって、撮りためた映像の一部を見せる上映会をしたのですが、彼ら・彼女たちはすごく喜んでくれました。このプロジェクトの意義を感じてくれましたね。上映会が終わると、有志のドラァグクイーンが司会をはじめて、完全にプライベートなドラァグショーがはじまったんです。その時の映像もカメラにおさめてありますが、作品に関わった人たちの気持ちが一つになった瞬間だと感じました。
また、ある出演者は最初のころ「中間を見せたくない」と言っていました。カメラを回す時は、女装の時 or 男子の時どちらかにして欲しい、その中間は中途半端だから嫌だと。
ですが、ある時「人生一回きりだから、どの瞬間撮ってもいいよ」と言ってくれたんです。今この瞬間は二度とこない。それをカメラに収められるのが、ドキュメンタリーの良さだと思います。
© Berlin Transgression
この作品をどんな方々に観て欲しいですか?また、作品を通して伝えたいメッセージを教えてください。
この作品は、ドラァグクイーン達の素顔に迫る作品ですが、「奇抜なことをしている人々の姿を覗き見しよう」という趣旨ではなくて、『性別や外見の違いを超えて分かりあいたい』というメッセージが込められています。程度の差はありますが、家にいる自分と社会での自分を演じ分けることは誰にでもあることだし、愛し愛されたいという願望は皆がもっているものだから、セクシャリティ問わず多くの方々に観て欲しいですね。
本作は、自分自身の葛藤や社会のあらゆる壁を乗り越えて、繋がろうとする人達のヒューマンドラマです。私が作品を通して一番伝えたいのは「人と人とのコミュニケーション」、そしてカテゴリーや枠にとらわれないで自分の居場所を自分で作っていくことの大切さです。
もちろん、ステージ上の華やかなパフォーマンスもたくさん撮っています。
ドラァグの裏側ばかりではなく、彼らが一番表現したい「観客を楽しませるパフォーマンス」も是非注目して欲しいですね。
© Berlin Transgression
同作は公開に向けクラウドファンディングで資金提供を募っているとお聞きしました。
そうなんです!撮影を全て終え、これから編集と公開に向け動いていくのですが、資金提供を米クラウドファンディング『KICK STARTER』で募っています。
また、本作は英語作品ですが、クラウドファンディングが成功すれば日本語字幕付きで日本で公開することも考えています。是非とも皆さんのご支援をお待ちしています!
映画『Berlin Transgression』/クラウドファンディング
*以下、クラウドファンディング用動画(日本語字幕)