─レスリーの展示テーマ『BOYS PLAY』について教えてください
レスリー:私の今回のテーマは『BOYS PLAY』です。
メインの撮影場所は、古い旅館、ホテル、海外など、過去5年間撮りためた写真で、未発表作品もたくさん展示する予定です。
私の場合、8割以上がスタジオ撮影なのですが、今回は全部スナップフォト。
『BOYS PLAY』のタイトル通り、男の子たちがふざけているところ、生意気なところ、遊んでいるところ、若さ、無邪気さを写真に収めています。
今回はいつもとは違うシチュエーションで撮っているので、いつも写真展を見に来てくれるファンの方達へも、私の新しい一面がお見せできると思っています。
─レスリー&ライアン、二人の外国人写真家から見た「日本男子」の魅力とは?
レスリー:今年日本にきて18年、もうすぐ20年。ライフワークとしてメンズヌード撮っています。
日本男子を継続的に撮っている写真家は、私とライアンぐらいしかいないのではないでしょうか?海外のフォトグラファーでも「日本男子」に焦点を当てている人はほぼいません。
私とライアンは長年日本に住んで、日本男子を研究してきました。
私が思うに、他のアジア圏の男子と比べると、日本男子は見た目は大人だけど、中身は少年。
中国、韓国、東南アジアの男性たちはすごく現実的で、自分のキャリアに向かって進んでいる。だけど、日本人男子はファンタジーを生きていて、大人でもどこか少年らしさがある。
日本にはアニメやマンガのカルチャーがあるので、その影響があるように感じますね。
あと、すごく思うのは「ミステリアス」。だからこそエロさがある。
また日本人の顔は幅広いですよね。ほかのアジア圏男子は、だいたい国別の典型的な顔がありますが、日本人はあっさりした顔立ちの人もいれば濃い顔立ち、個性的な顔立ちなど、顔のバリエーションがすごく豊富なんです。
ライアン:たしかに、日本人男子の顔はバラエティに富んでいるけど、どこか共通性がある。魂の部分は同じように感じますね。それはカルチャーが影響しているのでしょう。
僕が思う日本男子の魅力は、レスリーと同じく「ミステリアス」なところ。
例えば、日本人女性は丁寧で優しいですけど、男子は逆にそんなところがないですよね。
最初日本にきた時は「冷たいなぁ」と思いましたが、逆にそこがミステリアスに感じます。
彼らは、最初会うと優しさや気配りをみせないのに、撮影で一緒になって仲良くなると、すごく丁寧で優しい。
表現しないから分かりにくいんですが、みんな本心は優しくてピュアなんです。
あとはちょっとした「ワルさ」がある。自分の欲望に対してまっすぐで、意思があります。頑固とは違う部分ですね。
─「メンズヌード」といえば、2013年にレスリーの写真展が「わいせつ」だとして逮捕される事件がありました。事件以降、ヌードに対する考えは変わりましたか?
レスリー:考えは変わりましたね。改めて「メンズヌードはわいせつではない」と強く思いました。写真家としてヌードを表現することはとても大切です。
海外(アメリカ、フランス、ドイツ、オランダ等)では、アートであるメンズヌードに対して規制はありません。日本の規制は、作家の表現の自由を狭めてしまっています。
私は事件直後に、写真集「SUPER LOVE」を発表しました。いろんなカップルの「愛」をテーマに、ほとんどがヌードで撮影しています。被写体は性器を隠していますが、非常に高く評価された写真集でしたね。
たとえば「女性ヌード」だったら、日本でも篠山紀信やアラーキーなど、多くの写真家が作品を発表しているのに、なんで「メンズヌード」はわいせつなのだろうか?と。
私は事件前の3年間(2010年~12年)メンズヌードの写真集&写真展を行なっており、様々なメディアにも出て評価をされていますが、逮捕など何もありませんでした。
逮捕されたのはすごく悔しいけれど、良くも悪くもターニングポイントになったと思っています。この悔しさをいつか違うカタチで晴らしたい。
ちなみに、今回の写真展が開催される「ヒロミヨシイギャラリー」は、2013年に逮捕された時と同じギャラリーで展示します。4年ぶりの再チャレンジです。
私とライアンは、これからも変わらず、「メンズヌード」をライフワークとして撮り続けていきます。ぜひ写真展を期待していてください。