2017/05/06

【インタビュー】「メンズヌード」を撮り続ける写真家レスリー&ライアン、初の合同展が開催

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レスリーの展示テーマ『BOYS PLAY』について教えてください

 

レスリー:私の今回のテーマは『BOYS PLAY』です。

メインの撮影場所は、古い旅館、ホテル、海外など、過去5年間撮りためた写真で、未発表作品もたくさん展示する予定です。

 

 

 

BOYS PLAY (C) LESLIE KEE

 

私の場合、8割以上がスタジオ撮影なのですが、今回は全部スナップフォト。

『BOYS PLAY』のタイトル通り、男の子たちがふざけているところ、生意気なところ、遊んでいるところ、若さ、無邪気さを写真に収めています。

 

今回はいつもとは違うシチュエーションで撮っているので、いつも写真展を見に来てくれるファンの方達へも、私の新しい一面がお見せできると思っています。

 

 

レスリー&ライアン、二人の外国人写真家から見た「日本男子」の魅力とは?

 

レスリー:今年日本にきて18年、もうすぐ20年。ライフワークとしてメンズヌード撮っています。

日本男子を継続的に撮っている写真家は、私とライアンぐらいしかいないのではないでしょうか?海外のフォトグラファーでも「日本男子」に焦点を当てている人はほぼいません。

 

私とライアンは長年日本に住んで、日本男子を研究してきました。

私が思うに、他のアジア圏の男子と比べると、日本男子は見た目は大人だけど、中身は少年。

 

中国、韓国、東南アジアの男性たちはすごく現実的で、自分のキャリアに向かって進んでいる。だけど、日本人男子はファンタジーを生きていて、大人でもどこか少年らしさがある。

日本にはアニメやマンガのカルチャーがあるので、その影響があるように感じますね。

 

あと、すごく思うのは「ミステリアス」。だからこそエロさがある。

 

また日本人の顔は幅広いですよね。ほかのアジア圏男子は、だいたい国別の典型的な顔がありますが、日本人はあっさりした顔立ちの人もいれば濃い顔立ち、個性的な顔立ちなど、顔のバリエーションがすごく豊富なんです。

 

 

BOYS STUDY (C) RYAN CHAN

 

ライアン:たしかに、日本人男子の顔はバラエティに富んでいるけど、どこか共通性がある。魂の部分は同じように感じますね。それはカルチャーが影響しているのでしょう。

僕が思う日本男子の魅力は、レスリーと同じく「ミステリアス」なところ。

 

例えば、日本人女性は丁寧で優しいですけど、男子は逆にそんなところがないですよね。

最初日本にきた時は「冷たいなぁ」と思いましたが、逆にそこがミステリアスに感じます。

彼らは、最初会うと優しさや気配りをみせないのに、撮影で一緒になって仲良くなると、すごく丁寧で優しい。

 

表現しないから分かりにくいんですが、みんな本心は優しくてピュアなんです。

あとはちょっとした「ワルさ」がある。自分の欲望に対してまっすぐで、意思があります。頑固とは違う部分ですね。

 

 

─「メンズヌード」といえば、2013年にレスリーの写真展が「わいせつ」だとして逮捕される事件がありました。事件以降、ヌードに対する考えは変わりましたか?

 

レスリー:考えは変わりましたね。改めて「メンズヌードはわいせつではない」と強く思いました。写真家としてヌードを表現することはとても大切です。

 

海外(アメリカ、フランス、ドイツ、オランダ等)では、アートであるメンズヌードに対して規制はありません。日本の規制は、作家の表現の自由を狭めてしまっています。

 

私は事件直後に、写真集「SUPER LOVE」を発表しました。いろんなカップルの「愛」をテーマに、ほとんどがヌードで撮影しています。被写体は性器を隠していますが、非常に高く評価された写真集でしたね。

 

 

2013年に発表した写真集「SUPER LOVE」

 

たとえば「女性ヌード」だったら、日本でも篠山紀信やアラーキーなど、多くの写真家が作品を発表しているのに、なんで「メンズヌード」はわいせつなのだろうか?と。

 

私は事件前の3年間(2010年~12年)メンズヌードの写真集&写真展を行なっており、様々なメディアにも出て評価をされていますが、逮捕など何もありませんでした。

逮捕されたのはすごく悔しいけれど、良くも悪くもターニングポイントになったと思っています。この悔しさをいつか違うカタチで晴らしたい。

 

ちなみに、今回の写真展が開催される「ヒロミヨシイギャラリー」は、2013年に逮捕された時と同じギャラリーで展示します。4年ぶりの再チャレンジです。

私とライアンは、これからも変わらず、「メンズヌード」をライフワークとして撮り続けていきます。ぜひ写真展を期待していてください。

 

 

合同写真展『BOYS STUDY』/『BOYS PLAY』
『BOYS STUDY』by ライアン・チャン
会期:2017年5月13日(土)~5月27日(土)

 

『BOYS PLAY』by レスリー・キー
会期:2017年5月27日(土)~6月17日(土)
開催地:hiromiyoshii roppongi(東京都港区六本木5-9-20)
ギャラリー公式HP

 

 
レスリー・キー
シンガポール出身の写真家。東京ビジュアルアーツ専門学校を卒業後、フォトグラファーとしてデビュー。アート、ファッション、広告、CDジャケットの撮影、PV映像監督などを中心に東京、PARIS、NY、アジア各国で活動。世界中のスーパーモデルやセレブリティを撮影し続けている世界で知られる写真家の一人。APAアワード2012「経済産業大臣賞」ほか、受賞歴多数。これまで50冊を超える写真集の出版と写真展を開催している。
公式Instagram / 公式Facebook / 公式Twitter

 

 

 

ライアン・チャン
アメリカ国籍の写真家。東京デザイナー学院卒業。
2006年、ニューヨークより東京に拠点を移し、活動を本格始動。APAアワード2013「写真作品部門・文部科学大臣賞」受賞。コマーシャルフォトとして、浜崎あゆみ、松任谷由実のツアーパンフレット、WWDマガジン、GQ JAPAN、Fashion Newsの東コレフォトなど、幅広く活躍中。写真集『MAD TOKYO』『YOUTH』ほか多数。
詳しくは公式サイトにて。
公式サイト / 公式Twitter / 公式Instagram

 

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