ゲイ男性に問いたい、あなたは歳を取ることを恐れているだろうか?
おそらく多くのゲイ達が抱く「歳をとることの不安」に対して、ゲイの心理セラピストで人気ユーチューバーのマシューが、動画でメッセージを送っている。
──以下、彼のYouTube動画から翻訳──
「僕が22歳のとき、15歳年上の、ゲイの友達であり兄のような存在のマイケルと年齢について話していたとき、ふと彼に聞いたんだ。「今までで最高だったのは何歳のときだった?」って。そしたら、マイケルはすぐに「30歳」って答えたよ。ピンポイントでね。面白いなと思って理由を尋ねてみると彼はこう言った。「30歳って、人生経験も増してきてかつ若い、特別な年齢だからね」って。その時の彼の答え方が、どうも若さに重きを置いているように感じられたんだよね。今日は、加齢への不安について話すよ」
「どうして人は歳を取ることを恐れるのかって?それには「お金と消費」が大きく関係しているんだ。企業は、お金を使ってくれる人たち、すなわち消費してくれる人たちの所に対してマーケティングを行うだろ」
「19世紀後半から20世紀初頭までは若者の市場や若者の文化は存在しなかったけど、ポップカルチャーが生まれて、本や音楽、映画が若者向けに大量に生産されるようになったんだ。ベビーブームが起きたことによって若者の数が増え、若者文化がさらに大きくなって、若者の市場が勢力を増していったよね。さらに、近年ではIT技術の進歩によって、あらゆることがデジタル化して、インターネットで世界が繋がった。それによって、デジタル製品を駆使する若者へのマーケティングは加速度的に発展しているんだ」
「広告やマーケティングが若者を大きなターゲットにする社会は「若者に価値がある」というメッセージを常に送っているとも捉えられるよね。お金と注目がすべて若者に流れていく社会。そんな社会に生きていると「若さ」に執着しちゃうのは当たり前の事なんだよ」
「僕はゲイとして生きてきて社会から「ゲイはこうあるべきだ」ってうイメージを押し付けられることがたくさんあったよ。今僕は歳も取ってきて、苦しさ的には「ゲイ」と「加齢」で2倍って感じなんだ。歳を重ねている女性も僕と同じような心境かも知れないね。社会は女性に対しても「女性はこうあるべきだ」というメッセージを送っているから」
「加齢への不安を解く一番の方法は、自分の思考方法や社会の動きを知ることにつきるよ。「加齢が怖い」という考えの裏にある「お金と消費」の動きを知ることによって、なぜ「加齢が怖い」と思っているか理解することができるだろ」
「僕はよく皆に『時計屋になれ!』って言うんだ。時計の仕組みを理解するには、時計を分解して仕組みを調べる必要があるだろ。それと同じで、自分の思考方法とその裏にある社会の動きを理解することで、豊かに生きることができることになるんだよ。お金や消費に振り回されて加齢を恐れないで、友達や恋人との時間を大切にしたり、自分が本当に情熱のあることに集中したりね」