ヒゲを生やしたことにより不当な人事評価をされたとして男性が大阪市に賠償を求めていた裁判、通称”ヒゲ裁判”がついに決着。訴えを起こした男性が勝訴したことがわかった。
NHKによると、同裁判は3年前、当時の大阪市営地下鉄の運転士、河野英司さん(56)ら2人が、ヒゲを生やして勤務していることを理由に、人事で最低評価にされたのは不当だと訴え大阪市に賠償を求めたもの。
今月16日に行われた大阪地方裁判所は、「ヒゲを生やすかどうかは個人の自由で、人格的な利益を侵害し違法だ」と大阪市に40万円余りの賠償を命じ、男性は勝訴した。
原告の河野英司さんは会見で、「ヒゲは自分を表現するもので、そると自分ではなくなってしまう。勝訴できて素直にうれしいし、ほっとしている。この判決を真摯に受け止め、公正な評価をしてほしい」と話した。
また、弁護団長の村田浩治弁護士によれば「完全勝訴。いま、労働者に対する業務上の拘束が強調される中で、ヒゲを含めた個人の外観、人格的な利益は非常に尊重されるべきだと、従来の判例を確認したと評価できる。判決は今後も私生活に制約を及ぼす行為をしてはだめだと警鐘を鳴らすものだ」と述べている。
今回のようなヒゲに関する裁判は日本で初めての事例であり、ヒゲが日本社会でも認められつつあることを意味している。
ご存知、ゲイとヒゲは密接な関係にある。
データがないためハッキリと断定できないが、ゲイの中には「ヒゲを生やしたくても仕事柄生やせない…」という人はとても多い。
ヒゲを生やせる業種とは、アパレルや美容関係といったファッション業界や、エンジニア、ゲーム会社、スタートアップといったIT業界、出版、インテリア、グラフィック、ウェブデザイナーなどの広告・デザイン業界などだろう。
逆にヒゲNGな業種といえば、営業職、接客業、医療関係などが挙げられる。
ヒゲNGな業種や社風に嫌気が差し、あえて「ヒゲを生やせる業種に転職する」という人も少なくない。
もしかすると「ヒゲを生やせない会社(職業)」は、知らず知らずのうちに優秀な人材流出が起きているかもしれない。