カナダ・モントリオール出身の映画監督グザヴィエ・ドランは、27歳にしてすでに6作品の映画を監督している。
2014年に発表された映画『Mommy/マミー』はカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し注目を集めた。
さらに2016年には『たかが世界の終り』を発表しカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した。
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『たかが世界の終り』は、家族と関係を絶っていた余命わずかであるゲイの主人公ルイが、自身の病について告げるため、十数年ぶりに家族の元に戻るというあらすじだ。
主人公のルイは『ハンニバル・ライジング(2007)』の主人公を演じたイケメン俳優ギャスパー・ウリエルが演じている。
日本では2017年2月11日(金)全国公開予定の注目作品だ。
アデルの『Hello』のミュージックの監督も務め、ナタリー・ポートマン等を起用した『The Death and Life of John F. Donovan(原題)』という初の英語作品の撮影も始まり順風満帆なドランが、インタビューにて映画業から私生活まで赤裸々に語った。
以下、インタビュー部分を抜粋して紹介。
俳優であり監督でもあるドランにとって演技から得られて、映画製作からは得られないものはなんですか?
「演技は、解放なんだよ。でも映画製作は違う。孤独と責任が降りかかるのが映画製作なんだ。演技をしている時、常に何かを表現している一方で、監督をしている時は、常に全てを吸収している状態だと考えているよ」
主人公のルイとドランを比較した「たかが世界の終り」のある批評に不快になったそうですが、そのことについて聞かせていただけますか。
「僕は死に向かってないし、家族の無理解に苦しんでもいない。家族とは、ゲームをしたり、トランプをしたり、頻繁に会うし、とてもいい関係にあるんだ。だから僕は、主人公ルイの中に自分を見たことは一度たりともないよ。むしろ僕は自分自身をルイの兄や母、10代の妹に照らし合せてるね。家族にカミングアウトをする息子の作品を一度製作したからといって、それが僕自身の人生に基づいたストーリーと解釈する人がいるのは少し残念だね」
俳優として色んな役にチャレンジしているイメージがあります。自身の映画でウケを演じた監督を私は他に知らないのですが。
「もう今はやらないと思うよ。それに僕はウケじゃないしね。」
それと『トム・アット・ザ・ファーム(2013)』もウケについての映画の印象なんです。ダンスシーンも、受け身な主人公とバリタチのイメージなのですが。
「ただのダンスシーンだよ。ウケをすることに抵抗はないけどね。もしかして、ウケだとカミングアウトさせようとしてる?」
好きにカミングアウトしてくれて構わないですよ。「リバ」という選択肢もありますが…
「リバじゃない」
ということは…
「ということです」
なかなか攻めたインタビューに、赤裸々に語ってくれたドラン。
最新作『たかが世界の終り』は、2017年2月11日(金)より全国公開される。