HIV予防法「PrEP(プレップ)」を行う人が全世界的に増えているが、それと同等、もしくはより強力なHIV予防薬の研究が進められている。
大手製薬会社「GSK」が、開発中の新薬「カボテグラビル(Cabotegravir)」の研究結果を発表した。
これは2ヶ月ごとに摂取する、長期持続型のHIV予防薬だ。
現在世界中で使われているHIV予防法「PrEP」は、「ツルバダ」や「デシコビ」(またはそのジェネリック品)を服用する方法。HIV予防効果は99%といわれており非常に高い。
しかし新薬「カボテグラビル(Cabotegravir)」では、既存のPrEPよりも69%も高い予防効果があることがわかった。
臨床実験では、北米、南米、アフリカ、アジアのMSM(男性とセックスする男性)4,600人以上もが参加している。
この新薬は、市場に出る前にいくつもの承認プロセスが必要だが、薬の安全性監査する委員会(DSMB)によると、「HIV予防に非常に効果的」と高いレビューを出している。
同研究の共同主任研究者であるマイロン・S・コーエン氏は、新規HIV感染者を減らすために新薬を開発したと話している。
「新規感染者数を減らすために、経口錠剤(PrEP)にくわえて、たくさんの予防の選択肢があると信じています」
「2ヶ月ごとに投与する新薬(カボテグラビル)が承認された場合、HIV感染を減らし、HIV蔓延を終わらせるのに役立つ可能性があります」とのべた。
また、GSKと共同で新薬開発をおこなっている製薬会社「ヴィーヴ・ヘルスケア」の研究開発責任者であるキンバリー・スミス氏も、この試験結果を高く評価した。
「カボテグラビルの高い有効性だけでなく、HIVによって最も不釣り合いに影響を受けているコミュニティ(米国の黒人MSM、若いMSM、トランスジェンダー女性)においても高い有効性を示したため、新薬の実現にむけて非常にワクワクしています」とのべている。
PrEPは毎日(もしくは行為前後に)服用する必要があったが、注射型が登場すれば、2ヶ月に1回クリニックで注射するだけでOK。
普段の手間や飲み忘れが減り、かつ予防効果がPrEPより高いとあって、将来的にかなり普及しそうだ。
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