フランスのフィギュアスケート選手で、五輪で銀メダルを獲得したギヨーム・シゼロン選手が、ゲイであることをカミングアウトした。
ギヨーム・シゼロン選手は、男女ペアの競技「アイスダンス」のフランス代表。
競技パートナーのガブリエラ・パパダキス選手とともに、欧州選手権では5回優勝、グランプリファイナルでも2回優勝、世界選手権では4回優勝、2018年平昌五輪の銀メダリストといった輝かしい成績をおさめるフィギュア界のトップ選手。
そんなシゼロン選手は、フランスのゲイ雑誌『Têtu』に登場し、ゲイであることをカミングアウトした。
このインタビューは、自身のインスタグラムにパートナーと写真を投稿したことがキッカケ。
「愛をお祝いしよう!国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアデーおめでとう」と投稿している。
これは、WHOが同性愛は精神病ではないと世界に宣言してからちょうど30年にあたる5月17日の『国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアデー』を祝した投稿。
この投稿をキッカケに、ゲイ雑誌でカミングアウトに踏み切った。
そこには葛藤もあったという。
「僕はセクシュアリティを公にしたことはないですが、しなければならないとも思っていない。なぜならば異性愛者はカミングアウトしないから。僕自身、これまでプライベートな関係を公にする事がなかったから(インタビューが)公開されるまでは少し迷いがありました。だけど『これによって何かを失うだろうか?』を自分に言い聞かせました」
現在、母国フランスを離れカナダのモントリオールに住んでいるシゼロン選手は、そこで得た気付きからカミングアウトを決意したという。
「僕は、LGBTが最も自由に暮らせる街・カナダのモントリオールに住んでいますが、これはカナダや他の国々、そしてフランスでも当たり前ではないのだと。これがカミングアウトした理由です」
また、アスリートがカミングアウトすることについて、こう持論をのべた。
「僕が思うに、いまだゲイのアスリートは“ゲイのアスリート”として認知されてる。でも僕はゲイのスケーターになりたいわけではなく、“メダルを獲得したスケーター”でありたいのです」
「ただ現状そうでないのなら、そのような方向に進むよう(社会と)戦っていく必要があるとも思っています」