同性婚の議論が進むスイスにて、6月11日、下院にて同性婚の法案が可決された。
スイスの新聞The Localによると、10日に行われた下院での投票結果は賛成132票、反対52票、棄権が13票と圧倒的多数で可決された。次の審議は上院に移る。
反対したのは、保守派の「スイス国民党」のみ。
また「キリスト教民主党」においては、「レズビアンカップルへの精子提供を含めないのであれば賛成」としていることから、同性婚自体に反対ではなく、限定付きの同性婚は認めている。
この法案が可決されれば、スイスで同性婚が可能に。
さらにそれだけではない。この法案ではレズビアンカップルへの精子提供と全ての同性カップルの養子縁組を認めた “完全なる平等”を目指した同性婚法案なのだ。
しかし、上院で審議されるのは今年の夏以降とのこと。
そのため法案の賛成者は、この法案が多くの政治的サポートにより可決されたとしても「法律として公布されるまで道のりは長いのでは?」ともコメントしている。
上院で可決された場合、国民投票で最終審議される。
スイスの連邦司法警察省の大臣であるカリン・ケラースター氏は同法案の支持を表明するとともに、「法律は段階的に更新されていくべきだし、同性婚は今すぐにでも可決されるべきだ」とコメントを残した。
ちなみにスイスでは、今年2月にジェンダーへの差別や憎悪を禁止する法案の国民投票が行われたばかり。
LGBT活動家はこの流れに対し、国内ではLGBTの権利に対する働きかけが比較的遅かったが、やっと進歩が見られ始めたのではないかと期待を示している。
法案が可決されればスイスは世界で29番目の同性婚可決国に。
ヨーロッパでは同性婚が導入されている国が大多数のため、今回のスイスの例でさえ遅れていることになる。
一方、日本に目を向けると、国会で同性婚の審議すらもされていない状況のため、一刻も早い合法化に向けたムーブメントを願うばかりだ。