ゲイ雑誌やSM雑誌で活躍した挿絵画家・石原豪人/林月光の生誕100年を記念した回顧展が、東京・銀座の「ヴァニラ画廊」にて開催されることが分かった。
会期は6月29日(木)〜7月17(月・祝)。
石原豪人は、1923年生まれ。
1950年〜80年代に活躍した挿絵画家だ。
写実なタッチでありながら、浮世離れしたロマンティックな画風で怪獣や怪人、幽霊や妖怪などを描き、さらにはゲイ雑誌やSM雑誌などの成人誌で多くの艶画を手がけ、老若男女を魅了した。
1954年挿絵画家としてデビュー。
「少女クラブ」「週刊少年マガジン」など、少年少女誌のグラビアや挿絵を多く手がけつつ、1970年代半ばからは「林月光」のペンネームでゲイ雑誌でも活動スタート。
ゲイ雑誌「さぶ」では、1976年ころから小説挿絵、目次ページ、文通ページなどの扉絵や、グラビアなどを担当してきた。
さらには仕事場にホットラインを引き、そこで読者体験談や相談を聞き、取材を重ねて自ら物語化・イラスト化した絵物語シリーズ〈月光仮面劇場〉を連載。
体験談のはんちゅうを越えた大胆な解釈で再構成された絵物語は、林月光イマジネーションの真骨頂となり、1995年ころまで連載が続く長寿コーナーとなった。
また同時期には、耽美雑誌「JUNE」にて石原豪人の名で、神谷敬里(栗本薫)の小説に次々と挿絵を描き、繊細な男性同士の愛を描いた紙面において抜きん出た存在となった。
ゲイ雑誌のみならず、一般成人誌でも長らく活躍し、その耽美なイラストで男女ともに魅了してきた稀代の存在。
生誕100年を記念する本展では、人々の心を刺激した男性像から、ヌードアート、そして日本のイラストレーション界に与えた功績をふりかえる。