ケイト・ブランシェットが、天才女性指揮者を演じる映画『TAR/ター』が5月12日から劇場公開。
レズビアン、ゲイ人気の高いケイト様の主演作として、大きな注目を集めている。
『TAR/ター』のあらすじはこちら。
ドイツの有名オーケストラで、女性として初めて首席指揮者に任命された主人公リディア・ター(ケイト・ブランシェット)。
天才的な能力と優れたプロデュース力で、現在の地位に上り詰めたが、今はマーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャーと、新曲の創作に苦しんでいた。
そんな中、かつて指導した若手指揮者が自殺したとの報が入り、ある疑惑をかけられたターは次第に追い詰められていく。
ターは、音楽に対しては純粋で完璧主義者だが、上昇志向が強くごう慢で他人に対しては冷たい。
私生活では、女性パートナーをもつレズビアンで、養子を育てている。
そんな彼女があることをきっかけに、本性をあらわにし、壊れていく──。
アカデミー賞作品賞を含む6部門にノミネートされ、ヴェネツィア国際映画祭では主演女優賞を受賞されるなど、高い評価を得ている本作。
本作はフィクションながら、世界的指揮者 マリン・オールソップをモデルにしたのでは?とされている。
オールソップはアメリカ初のメジャー・オーケストラ女性指揮者で66歳の今も現役で活躍中。
私生活ではレズビアンを公言し、女性演奏家をパートナーとして持つ。
そんなオールソップは、サンデー・タイムズ紙にて以下コメント。
「私は、女性として、指揮者として、レズビアンとして、腹を立てています」
「(私に類似した主人公)を加害者とした描いた作品なので、私にとっては心痛むことでした」とコメントしている。
映画の中で、主人公ターはその強気な性格から、周囲を追い詰めるパワハラに該当する箇所が多々登場する。
自身をモデルにしたとされるオールソップは、遺憾の意を表しているというわけだ。
この発言を受け、ブランシェットは、BBCラジオ4で言及。
「『TAR/ター』という作品はフィクションであり、権力の熟考、そして権力はジェンダーレス(性差がない)です」と発言している。
たしかに、ターはオールソップと共通点の多いキャラクターながら架空の人物であり、そこから生まれる事件も完全にフィクション。
全体としてはスリリングなサイコスリラーに仕上がっている。
さまざな意味で注目を集めている本作。
ぜひ気になった人は劇場でチェックしてほしい。