毎年恒例のLGBT映画の祭典「第25回レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」が、7月9日(土)から7月18日(月・祝) の期間で開催される。
昨年までは「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」として開催されていたが、今年から「レインボー・リール東京」に名称変更し、シネマート新宿、青山スパイラルホールの2会場で10日間にわたり開催される。
毎年、上映される作品の多くが日本初上映であり、本映画祭でしか観られない作品が多数上映されるのが魅力だ。
今年は、ヴェネチア映画祭で最高賞である金獅子賞に輝いた『彼方から』(日本初上映)のほか、ベルリン、トロント、サンダンス等の映画祭で話題をさらった作品を含む、全13プログラムが集結!
全上映ラインナップを一挙紹介したい。
『チェッカーで(毎回)勝つ方法』★日本初上映
両親を亡くした少年オートとゲイの兄エックはおばと同居し、エックが一家の大黒柱となり生活を支えていた。
兄弟は貧しいながらも幸せな日々を過ごしていたが、21歳になったエックと恋人ジェイが徴兵のくじ引きに参加することに。
オートは兄と離れたくない一心で行動を起こすが…。
韓国系アメリカ人ジョシュ・キム監督が描く瑞々しい兄弟の物語
『サマータイム』 ★日本初上映
時は1971年。農家の一人娘デルフィーヌは保守的な両親から自立するため、パリへやってくる。そこでデルフィーヌは女性解放運動を率いるキャロルに出会い、彼女の自由な精神に惹かれていくが…。
ウーマン・リブの時代を背景に女性たちの恋を描き、2015年ロカルノ国際映画祭でヴァラエティ・ピアッツァ・グランデ賞を受賞。
『スパニッシュ・アパートメント』のセシル・ドゥ・フランスがカリスマ的なアクティビストを好演している。
『あの子は私の初恋』★日本初上映
高校のソフトボールチームのエース、サーシャにひと目惚れしたアンは、イヤーブック用のインタビューを申し込む。
2人の心は近づいていくが、密かにアンに恋をしていたアンの親友クリフトンが2人の仲を知り、いびつな三角関係に発展する。
『アンブレイカブル・キミー・シュミット』のディラン・ゲルーラと『デッドプール』のブリアナ・ヒルデブランドのフレッシュな共演に注目。
2016年サンダンス映画祭NEXT部門観客賞受賞。
『ゲイビー・ベイビー』★日本初上映
いまだ同性婚が法制化されていないオーストラリアで、同性カップルを親に持つガス、エボニー、マット、グレアムの4人。
カメラはそれぞれの家庭に密着し、思春期に差しかかろうとしている4人の“ゲイビー”の日常生活を追う。
彼らはゲイやレズビアンである親のことをどう思っているのか?他の子どもとは違う悩みを抱えているのか?
子どもの目線から家族の多様性をとらえた自然体のファミリー・ドキュメンタリー。
『ガールズ・ロスト』★日本初上映
14歳のキム、ベラ、モモは仲良し3人組。ある日、彼女たちは温室で不思議な花を発見する。
その花の蜜を飲むと一時的に少年に変身してしまうのだ。
自分の体に違和感を抱いていたキムは世界が一変したことに驚喜するが、次第に新しいアイデンティティーが3人の友情に影響を及ぼしていく。
『キス・ミー』(第21回上映)の監督による、幻想的な映像美と音楽が見事に融合した話題作。トロント国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭出品。
『バーガンディー公爵』★日本初上映
ある時代、あるヨーロッパの街で、見習い昆虫学者エヴリンはメイドの仕事で豪邸を訪ねる。
そこに住むのは、冷酷で高慢な女性シンシア。
エヴリンはシンシアに抵抗することなく、時には羞恥的な命令に従い続ける。
しかし、これらはすべて2人の間のロールプレイであった。
女性同士の倒錯的な愛の関係を見事な映像美で描き、トロント国際映画祭を始めとする世界各国の映画祭で上映され、大きな議論を巻き起こした問題作。
『パリ 05:59』★日本初上映
英題:Paris 05:59/原題:Théo et Hugo dans le même bateau
監督:オリヴィエ・デュカステル、ジャック・マルティノー
2016|フランス|97分|フランス語
眠らない街パリのある夜、セックスクラブでテオとユーゴーは目と目が合った瞬間に惹かれ合い、その場で情熱的に愛を交わす。
その後、夜のパリをさまようテオとユーゴーであったが、衝撃的な事実が判明し、2人のロマンスは思わぬ方向へ向かっていく。
2016年ベルリン国際映画祭でテディ賞観客賞を受賞した話題作が早くも日本上陸。
リアルタイムで展開される愛のドラマは『ウィークエンド』(第21回上映)を彷彿させる。
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