企業に勤めるトランスジェンダー女性が、職場の女性用トイレの使用を制限されているのは不当だとして国を訴えた裁判。
6月11日の最高裁にて、国の判断は「違法」だとして、トランス女性の訴えを支持した。最高裁がLGBTQ関連の訴訟を認めたのは今回が初だという。
トランス女性は、経済産業省に勤める職員。
女性として社会生活を送っているが、女性用トイレの使用が認められず、人事にも取り下げられたため、不当だと訴えていた。
判決にて、今崎裁判長はこう述べた。
「職員は、自認する性別と異なる男性用トイレを使うか、職場から離れた女性用トイレを使わざるを得ず、日常的に相応の不利益を受けている」と指摘。
判決を受けて、経済産業省もトイレの使用制限の見直しを迫られることになる。
トランスジェンダーのトイレ問題は度々議論されてきたトピック。実際のところはどうなのだろうか?
以前行われた金沢大学の調査によると、「職場のトイレをトランスジェンダーが使用することは抵抗ない」と答えた人は71.5%に上り、反対派が少なく、ほとんどの人が支持している。
また、トランスジェンダー当事者が「職場のトイレを使用したいか」を聞いた項目において、「男女別トイレ」では52%、「性別問わず使えるトイレ」が46%となり、半数近くの当事者がトイレを使用したいと回答している。
職場で「トイレが使えない」というストレスは、仕事のパフォーマンスだけでなく、QOLにも大きく影響する。
今回の判決をキッカケに、トランスジェンダー当事者が不利益をうけない職場環境に多くの企業は整えるべきだろう。