7月7日(金)より公開中のゲイ映画『大いなる自由』。
その公開を記念して、2000年に制作されたドキュメンタリー映画『刑法175条』の限定上映が決定した!
7/21(金)・22(土)・23(日)の3日間限定で、東京・渋谷「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」にて上映される。
同作品は、ナチ政権下で迫害されたゲイを描いた、貴重なドキュメンタリー作品。
戦後ドイツで男性同性愛を禁ずる「刑法175条」のもと約10万人が捕まったとされている。
そのうち強制収容所に送られた1万~1.5万人のうち生存者はおよそ4,000人、映画制作時に生存が確認出来たのはわずか10名に満たなかったそう。
映画『刑法175条』は、強制収容所に送られた同性愛者が辛うじて存命だったタイミングに撮られた貴重なドキュメンタリー。
貴重な記録映像、写真と共に、刑法175条によって迫害を受けたゲイ男性たちと、ひとりのレズビアンのインタビューによって歴史に隠された一面を暴き出す。
監督は、『ハーヴェイ・ミルク』で1984年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したロブ・エプスタインと、映画史におけるLGBTQの描かれ方を検証するドキュメンタリー『セルロイド・クローゼット』をエプスタインと共同監督し、公私にわたるパートナーでもあるジェフリー・フリードマン。
ナレーションは『アナザー・カントリー』に出演し、自身もゲイであることをカミングアウトしている俳優、ルパート・エヴェレットだ。
インタビュアー兼アソシエイトプロデューサーでもあるホロコースト記念博物館のクラウス・ミュラーは、現在配信中のNetflix映画『エルドラド:ナチスが憎んだ自由』の監修も務めている。
『大いなる自由』のセバスティアン・マイゼ監督は、インタビューでこう語っている。
「主人公ハンスの物語の出発点は、同性愛者の男性が連合国によって強制収容所から解放されたにもかかわらず、直接刑務所に移送され、刑法175条に基づいて残りの刑期を務めたという実話でした。ハンスは、罪もなく繰り返し刑務所へ送られ、存在を否定され、人間関係を壊され、国家の記録の中に消えていった無数の人たちであり、その人たちの運命そのものです」
『刑法175条』は、ハンスと同じく強制収容所から刑務所に移送された人、凄まじい拷問の記憶を語る人、強制収容所にいたことを隠し、女性と結婚した人、奇跡のような経緯で難を逃れた人…癒えることのない傷を負いながらも生き抜いた人々の個人的な物語を通して、迫害の歴史を明らかにするものだ。
同作は2001年の山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション部門で上映され、以降数えるほどしか国内で上映されてこなかった貴重な作品。
『大いなる自由』で描かれた歴史をさらに深く知ることのできる絶好の機会、35mmプリントで3回のみの限定上映だ。
さらに、7/22(土)にはジャーナリストで作家の北丸雄二さん、ノーマルスクリーンの秋田祥さんによるトークイベントを開催されるので、ぜひこちらもお見逃しなく。