将来「子供を持ちたい!」と願うゲイカップルは多い。
現在では、代理母による代理出産か、養子を迎える、その2つの選択肢しかない。
養子縁組はとても素晴らしい制度。
しかし、代理出産については多くの議論がある。
アメリカなど同性婚が認められている国では、ゲイカップルの代理出産が認められている。しかしながら、代理母については倫理的な問題、健康上の問題など、議論も多いのが現実だ。
そんな中、将来的に代理母がいらずに「子供を持てる」日がくるかもしれない。
母体がいらずに、人工子宮で赤ちゃんを育てることをコンセプトにしたCG動画「エクトライフ(EctoLife)」がメディアに公開され、世界中のネットで話題になっている。
動画は、ドイツの科学者/映像制作者のハシェム・アルガイリ氏が制作し公開したもの。
そのリアルな画像と動画は多くの人の目をくぎ付けにし、「この施設は既に現実なのでは??」と思った人が続出した。
以下、動画。(字幕から日本語を選択することも可能)
これはアルガイリ氏が発案した再生可能エネルギーによる人工子宮施設「エクトライフ」構想をビジュアル化したCG映像。
現在このような施設が実在しているわけではないが、プレスリリースの中で、理論的には「感染症のない環境の施設内で年間最大3万人の赤ちゃんを誕生させることが可能」と記されている。
人工子宮を通して胎児に栄養と酸素が供給され、さらには計測モニターであらゆる数値をトラッキングすることで、胎児が安全に育っているかもチェックすることが可能。
そして十分に胎児が成長した段階でボタンを押し出産完了───という、なんともSFチックな出産だ。
アルガイリ氏によると、この人工子宮の構想は「安全で痛みのない方法で、ストレスのない出産を提供するもの」であり、実現すれば早産や帝王切開、分娩時の合併症がなくなるとのこと。
そのような母体の安全性だけでなく、人口減少に悩める国にとっては大きな解決策になりえると主張している。
さらには、子供が持てないゲイカップルにもおおいに可能性のある話だ。
たとえば、以前発表された「精子だけで子供をつくれる」研究が現在進んでおり、マウスを使った実験では成功している。(詳しくはこちら)
つまり、精子だけで受精し、受精卵を人工子宮で育てると、卵子も母体もいらずに子供ができることになる。
もちろん、倫理観が議論になるので難しいかもしれないが、将来的に技術が進み、実際に実現可能な議論がされるかもしれない。
今後の展開に注目したいところだ。