現在開催中の「東京オリンピック」。
史上最多181名(現時点)のLGBTQのアスリートが参加しており、メダルを獲得している選手もおおく盛り上がりをみせている。
しかし先日、何らかの手段を使いオリンピック選手のセクシュアリティを特定し、アウティング(暴露)した事件が発生。海外メディアが報じている。
アウティングとは、本人の了解を得ずにセクシュアリティを第三者に言いふらす行為。
今回問題になったのは、オリンピック選手村に滞在する何名かのアスリートのセクシュアリティに関する情報を取得した人物が、その後TikTok、Twitter上に投稿。本人の合意を得ずに暴露したのだ。
1つの投稿には1万以上のイイネが付いたものもあったが、現在投稿は削除されている。
参加しているアスリートの中には、LGBTQであることを公表している人も、そうではないクローゼットの人もいる。もちろん選手だけでなく多くの五輪関係者もいる。
アウティングはプライバシーの侵害はもちろん、それ以外にも大きな危険をはらんでいる。
それは、同性愛を禁止している国の選手の参加も多いということだ。
たとえば、イラン、サウジアラビア、イエメンでは、同性愛行為は死刑に処されることもある。
ロシアやブラジルなどでは、ゲイ、トランスジェンダーに対して暴力を行うヘイトクライム(憎悪犯罪)も多発している。
国際的なLGBTQ団体「ILGA World」によれば、今大会に参加している約70ヵ国以上でLGBTQが認められておらず、厳しい法律が設けられているそうだ。
これらの国の選手がSNS上でセクシュアリティを暴露されてしまうことで、選手生命だけでなく、命の危険にさらすことにもなる。
日本でも、アウティング行為により大学生が転落死した「一橋大学アウティング事件」など、アウティングが本人を追い詰めた事件も発生している。
今回のアウティング問題について、「プライドハウス東京」はこのような緊急声明を発表した。
「アウティングはアスリートの命にも関わる極めて危険な行為です。このような出来事が二度と起こらないために、アウティングを行わない、そのような情報を見ても拡散をしないことが広く認知され、守られなければなりません」
アウティングは極めて危険な行為であると認識して、良識のある読者のみなさんはぜひとも控えてほしい。