最新のランキング調査によると、「世界一LGBTとして生き辛い国は中国」だそうだ。中国は北京を始めとする他の主要都市とともに、「LGBTとして生き辛い都市」として選ばれてしまった。
ドイツの不動産会社「Nestpick」が行った調査「LGBTが最も歓迎される都市ランキング」によると、北京は100都市中最下位。上海は89位で香港は83位だったそうだ。
一方で、マドリードが1位。アムステルダム、トロント、テルアビブ、ロンドンと続いた。
上海プライドのオーガナイザーでアクティビストでもあるチャーリーン・リューによると、中国におけるLGBTの生活は「ゲイクラブはあるが、カミングアウトをしている人は少なく、家族や政府に理解してもらうのは難しい状況」だという。
「中国において、同性愛は1997年に非犯罪化され、数年後に精神病リストから取り除かれた」
ピュー研究所が2013年に行った調査によると、中国の人口の21%が同性愛に対して賛同している。一方で、中国には同性愛を”治す”ためのクリニックも存在しているという。
中国では、同性愛に対し否定的な他の多くの国々のように一神教の宗教が広く信仰されている訳ではないが、多くの人々が社会問題に対し保守的な態度をとっているのが現状なようだ。リューは「中国において家族を持てるか、結婚できるか、子どもを持てるか、名字を継げるかといった家族についての価値観は未だに根強いです」と中国の保守的な家族観について話す。
また、北京大学が2016年に行った調査によると58%のゲイそしてストレートの中国人が「LGBTの人たちは家族から排除されていると感じる」と答えている。同じ調査では、15%のゲイが、家族にカミングアウトをしたが、その「半分以上の人々のカミングアウトは受け入れられなかった」と答えている。
同性愛は違法ではないが、同性愛が表現される映画などは、政府が検閲をし
LGBTの可視化を防ごうとしているという。
一方で、中国の若者はLGBTの権利に賛同しているものも少なくなく、その大多数が同性婚を認めているという。