近頃アメリカ疾病予防管理センターによって行われた調査によると、より多くのアメリカ人が、自身のことをバイセクシャルと自認しているという。それだけではない。より多くのストレート自認の男性が、同性とのセックスを試みたことがあることも明らかとなった。
調査員は、18才から44才までの9000人以上の男女にインタビューを行った。すると、インタビューに応じた男性のうち6.2%が人生のうち一度は同性と性的な行為に及んだことがあることがわかった。6.2%のうち、2.3%の対象者は、ストレートと自認しているそうだ。
彼らは一体誰なのか?そしてどこにいるのか?(ご存知の通り、どこにでもいることは言うまでもない)
匿名の男性3名が、米ゲイメディアQueertyのインタビューに答えた。
ロブ(仮名)は、カリフォルニア州サンノゼに住む46才だ。ロブには、12年連れ添っている妻がいる。ロブは、自身のことを「バイセクシャル傾向にあるストレート」と自認しており、19才のころから男性と性的な関係をもっているそうだ。
「性欲を簡単に発散する方法が、男との性的な行為なんだ。男性との行為は、何のプレッシャーもない身体的な開放って感じかな」とロブは話す。行為に及ぶ相手は、自分と同じ既婚男性が良いそうだ。シングルやオープンリーゲイ男性は対象外だそう。男性とは、出会い系掲示板やゲイアプリで出会うという。
「結婚してる男が良いのは、彼らが単純に自分と同じ状況にいて、俺の状況を理解してくれるからなんだ。結婚を危険にさらしたくないしね。結婚してる男ならそういうこともわかってくれるだろう。彼らも自分の生活を危険にさらしたくないだろうし」
「相手が情を持ち始めたり、恋しちゃったら危険だよね。俺は、男に恋人として求められるのは望んでないんだ。カッコイイ男はいるけど、性的にカッコイイってだけだよ。恋に落ちたいとは思わないね」
現在ロブは、二人の男性と定期的に会っているという。
ロブ「一人は離婚者でもう一人は奥さんと死別しセミリタイアした男だよ。二人とも一人で暮らしてるから、いつも彼らの家で会うんだ。恋愛感情は全くないよ」
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トニー(仮名)は、ニューヨークに住む32才の離婚者だ。トニーは最近自身がバイセクシャルであることに気づいたそうだが、そのことは多くの人には伝えていない。トニーは、カジュアルな関係の彼女とセックスのために時々会う男性たちがいるという。
「僕が最初に男の人とセックスをしたのは、21の時だったね。相手は年上の既婚者で、ゲイサイトで知り合ったんだ。僕の住むニューヨークは、フェミニンなゲイが多い街なんだ。僕が好きなのは、ゲイだと気づかれない男性なんだけど、彼らにはあまり出会えないから、良い人を見つけたらだいたいキープするよ」
トニーもセックスの相手は、ほとんどウェブサイト「クレイグズリスト(Craigslist)」で見つけるという。後に相手と親しくなることも多いそうだ。トニーは、周りに自分の性的指向を知られることを恐れているわけではないが、かといって知られることが心地良いわけでもないそうだ。
「いつか変わるかもしれないけど、男の人と付き合ってたことを打ち明けるのは気が進まないなぁ」
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アンドリュー(仮名)は、ルイジアナ州ニュー・オーリンズに住む33才だ。アンドリュー曰く、性自認は完全にストレートで、21才の時に結婚した奥さんがいる。
そんなアンドリューが男性と性的な関係をもったのは10年ほど前だそうだ。
「結婚して2年が経った頃、新しいことを試してみたかったんだ。それから10数人の男と関係をもったよ。頻繁にではなくて、たいていは結婚がスランプに陥った時だね。男と関係をもつと、結婚生活もうまくいくんだ」
ロブとトニーのように、アンドリューもまた、出会い系サイトでカミングアウトしてない男性と知り合ったという。
「相手は、男とセックスするストレートが良いね。俺と共通点が多いから、関係を築くのが簡単なんだ」
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