アメリカ有数のゲイタウン「プロビンスタウン」に滞在しています、ライターのがぅちゃんです。
(ゲイたちの間では)有名すぎて、ちょっとした観光地のようになっているハッテン場「ディックドック」に行ってみました。
アメリカは世界で3番目に広い国なのですが(日本の約25倍)、国土の東側で北大西洋に面するエリアを「東海岸/East Coast/イーストコースト」と呼びます。東海岸にある有名な都市は、「ニューヨーク」「ワシントンD.C.」「ボストン」などです。
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「プロビンスタウン/Provincetown」は、アメリカで最も著名なゲイタウンの一つ。現地を代表するゲイリゾートホテル「ボートスリップ/Boatslip」が有名で、当施設の海上デッキで開催される「ティーダンス/Tea Dance」は、町の名物ゲイイベント。
「ディックドック/Dick Dock」は、そんなティーダンスの会場の真下にあります。海の上にある「デッキ」は英語で「ドック/dock」と呼ぶので、「ディックドック」を意訳すると「おちんちんデッキ」という意味にならなくもなさそうです。
なんてったってプロビンスタウンは、世界で最も有名な熊系ゲイイベント「ベアウィーク・プロビンスタウン」の開催地。期間中で最も盛り上がるイベントが、ほかでもないボートスリップで開催される「ボートスリップ・ティーダンス」なのです。
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ベアウィークに来た世界のゲイたちはもれなくボートスリップを覚えて帰ることとなり、結果としてボートスリップがベアウィークの代名詞のような状態になります。その時ついでに「この下、ディックドックっていうハッテン場らしいw」と、セットで語られがち。
オモテ=ボートスリップ、ウラ=ディックドック。でも2つをざっくりごっちゃに覚えているゲイも皆無ではない様子。ディックドックの知名度の内訳を簡略化すると、「全米一(≒世界一)有名なゲイイベントの会場にある(?)ハッテン場」のようになります。
プロビンスタウンは、冬は閑散期となります。とはいえゲイの定住者は多く(同性カップルの世帯数の割合が全米一高いともいわれている)、ゲイの観光客も毎週おとづれている様子。そんな冬場の生々しいディックドックに、あえていってみます。
ボートスリップの脇には、ビーチへと続く道があります。左手にボートスリップ、前方に海がある状態で前進し、ビーチに出ると即・左にディックドック。ビーチで犬の散歩などしてるひともけっこう多いみたいで、平和な注意書きなどあります。
ディックドックをいざ日中に眺めてみると流石(さすが)のナガメではあるものの、「ふつうの建築物」といった佇まい。ハッテン場にありがちなスリージー(sleazy)な気配は、さほど感じませんでした。
50メートルくらい、無慈悲にバーーンと展開しているディックドック。角っこでつったって見ていると、ナニかの鋒(きっさき)でも突きつけられたような気分。コロナ前の繁盛期には頭上でゲイたちが溢れてたことを想うと、むなしい気分もあふれました。
そういえば夜に行ったときのことを思い出してみると、鉄柱と鉄柱の間がちょっとした”部屋”のような扱いになっていて、そこでけっこうなことがおこなわれていました。プロビンスタウンにはゲイサウナがないので、ハッテンはここに集中しやすいという感じ。
今回おとずれた昼のディックドックでは、ハッテンはありませんでした。おちんちん無しの、ただのドック。かつて夜に行ったときは、「一回いってみよ勢」のような人も多かったように思います。友達や恋人同士で、歩きヌけてみよっかという雰囲気。
ビーチはパブリックスペースであり、民家からもすぐアクセスできる状態です。ディックドックはハッテン場のわりに、秘められた様子がありません。昼は性別問わず、ビーチを通るひとがいます。階段でおしゃべりしているひともいました。
ディックドックは、「ハッテン場…という観光地にいく」といううしろめたくないスタンスでいけそうな、健全でトリッキーなハッテン場です。有名すぎるためか(言ってしまえばふつうのビーチなので)、治安も悪くなかったです。
しかしやはり、ハッテン行為は推奨しません(もしディックドックで出会いがあっても、宿や家にもどって各自…という流れが一般的のようです)。あと、路上での飲酒は違法なので、観光の際は心にとめておくとよいと思います。