【GAYミシュラソ】とは、GMPDの覆面調査員が、世の中にはびこるけしからん飲食店を批評して格付けする企画です。(GAYミシュラソはミシュランガイドのパロディです。)
今回は、大阪のゲイエリア「堂山町(どうやまちょう)」の近くで「アジア初進出」を果たしたイギリス発のフードコート「タイムアウトマーケット大阪」を批評して格付けします。
「あー、あれか。イギリス発の地域密着型シティガイド『タイムアウト』が手がけるフードコート『タイムアウトマーケット』としてアジア初進出した『タイムアウトマーケット大阪』やろ? まあ大阪は海外の『フーディー(食通)』の間で有名やからな。ミシュランのお店の数、大阪は世界3位やから。京都は2位やけど。」
と、フーディーを自認する京都の友人(凹)が教えてくれたのが、タイムアウトマーケット大阪です。(いまだに自認が「he/him」のGAYミシュラソとしては恐れ多いです。)
京都の友人が言うには、「タイムアウトマーケット大阪は、『大阪の重要フードカルチャーのまとめ』みたいになってる。大阪のハッテン場で例えるなら、『北欧館』とか『ロイヤル』とか『英都』とかが、ワンフロアに集結したような感じ。」だそうです。
ということは東京で例えると、「『24会館』とか『大番会館』とか『駒込ケンコーセンター』とかが、ワンフロアに集結したような感じ? すっげ。」と、勝手に解釈しておきました。
大阪ということで、まずはお好み焼きを食べます。
「フュージョン料理の趣のある鉄板焼きのお店『コアラ食堂』の看板メニュー『黒豚バラ肉玉 お好み焼き(1200円)』な。」と、京都の友人が教えてくれました。
食べてみると、生地が卵っぽくて美味しいです(プロテインが多そう)。「スパニッシュオムレツ」とかを食べている気分だけど、味は完全にお好み焼き。
食感が多様で、食べている最中も楽しいです。
フワフワの生地、クリスピーな黒豚バラ肉、シャキシャキの水菜、パウダーのかつおぶし。飽きがこず、気づいたら食べ終わっていました。
「このお好み焼きの何がすごいかわかる? オムレツのようで粉もん、洋食のようで和食、つまりタチのようでウケ。それだけじゃない。『テクニック-食感-』を楽しんでる間に、気づいたら『オーガズム-ごちそうさま-』してる。」
と、京都の友人が中森明菜の『DESIRE -情熱-』にかけて説明してきます。
わかりづらい説明でしたが、「めっちゃ美味しい」って言いたいのはわかりました。そこに関してはGAYミシュラソも同感です。
京都の友人が「フュージョン料理の趣のある創作串カツの『kushiage001(クシアゲ ゼロゼロイチ)』な。」と教えてくれたお店では、思いきって一番高いセット(5本3500円)を食べました。
高校時代、串カツ食べ放題のチェーン「串家物語」で卒業パーティー(1人2000円くらい)をした我々にとっては、これが真の卒業パーティーとなります。
これらの串カツを食べて、「一本の串でひとつの創作料理みたいな完成度になっている」と気づけたのは、我々が大人になった証なのだと思います。
あとそもそも、素材が美味でした。
これに関して、「カワイイ人は何やってもカワイイ。」と、二人で呟いてしまいました。卒業式の復唱みたいになってしまい、恥ずかしいです。
ふざけて注文した「串揚げ屋のアメリカンドッグ(550円)」が、べらぼうに美味しかったです。ソースがアメリカ版「シラチャー・ソース」のような味で、サプライズでした。
ここにきて、「どんなものでも串カツとして美味しくする」というクリエイティビティを目の当たりにし、「カワイイだけじゃないんだな」と圧倒されます。
デザートに寄ったのが、「JULIAN♡SUCRÉ♡ACID(ジュリアン シュクレ アシッド)」。
「『フランスの菓子職人のセンスで日本の喫茶文化を表現したら』みたいなお店。」と、京都の友人が説明してくれます。
パーツごとに食べてみると、「甘さ控えめなプリンとアイスとホイップクリーム、酸味のあるイチゴジャム、苦味のあるコーン、だんとつに甘いイチゴソース」といった味わい。
総合すると「イチゴソースを主人公としたパフェ」のような食べ応えで、「ソースはフランス料理の命」というセリフ(漫画『美味しんぼ』より)を思い出します。
「パフェ(parfait)」がフランス発祥のデザートだということを踏まえると、このプリンアラモードは、「フランスのセンスで日本を表現したらフランスに回帰した」とも言えそうな一品で、感慨深いです。
これについて京都の友人は、「『日本人が和装でドラァグしたら女形(onnagata)になる』って言ってたフランス人(凸)がおったな」と言っていました。
「つまりこのプリンアラモードは『坂東玉三郎みたいなパフェ』ってこと? すっげ。」と京都の友人に言うと、「梅沢富美男(うめざわとみお)。」とだけ言われました。
どちらにせよ、好みではあります。
タイムアウトマーケット大阪では、合計6450円(4品)のお食事となりました。
「フードコートとしては高いけれどキャッシュレスだから気にならない」と言うと嘘になりますが、「ゲイバーとかだとそれくらい使っちゃうよね」と言い訳できるくらいには、楽しみが勝る体験でした。
「大人数で来ると楽しめそうだな」と思っていると、京都の友人が「ザ・モア・ザ・メリアー(the more the merrier=人数が多いほど楽しい)」と言ってきます。
そろそろ下ネタで胃もたれしそうなので、このへんで「タイムアウト(time out=休憩)」したいです。
評価:★★