トム・フォード(Tom Ford)
トム・フォードはファッションデザイナーということもあり、彼が「シングルマン(2009)」の監督としてデビューした際、彼の作品を過小評価していた人は少なくなかっただろう。
しかし、フォードはゲイの作家であるクリストファー・イシャーウッドの原作の優雅な美しさとストーリーに溢れる感情を映像化することに成功した。
フォードが監督を務める最新作「Nocturnal Animals(原題)」は2016年11月に全米公開を控えている。
クレイグ・ジョンソン(Craig Johnson)
クレイグ・ジョンソンは2014年に「スケルトン・ツインズ-幸せな人生のはじめ方-」を発表し、同年のサンダンス映画祭で脚本賞を受賞した、今注目されている監督だ。「スケルトン・ツインズ-幸せな人生のはじめ方-」は鬱に悩む二卵性双生児のマイロとマギーを描いたコメディー映画で、映画ではマイロが高校時代に男性教師と複雑な関係にあったことも描かれている。
イングリッド・ユンゲルマン(Ingrid Jungermann)
イングリッド・ユンゲルンマンは、デジレ・アッカバンと「The Slope(原題)」というシリーズドラマを2010年から2012年にかけて製作し、ウェブ上で公開した。
2013年から2014年は、「F to 7th」というウェブシリーズも公開し、現在は同作品をテレビ向けに製作している。ユンゲルマンの初の長編監督作品「Women Who Kill(2016)」は、トライベッカ映画祭にてお披露目された。
マリアム・ケシャバーズ(Maryam Keshavarz)
イラン系アメリカ人の映画製作者であるケシャバーズは、2003年のドキュメンタリー映画「The Color of Love(原題)」や2011年の長編映画「Circumstance」を通して、自身の民族性を描いてきた。
「Circumstance」では、現代のイランを舞台に、2人の若い女性がセックスやドラッグ試すうちに恋に落ちる。「Circumstance」はイランで公開中止なるばかりか、ケシャバーズ自身もイランに帰国することを禁止されている。
ジョン・クロキダス(John Krokidas)
クロキダスの唯一の長編作品は「キル・ユア・ダーリン(2013)」であり、映画はビート・ジェネレーションを代表するアメリカの詩人アレン・ギンズバーグがコロンビア大学時代に実際に経験した殺人事件が元になっている。
クロキダスは、「キル・ユア・ダーリン」以降長編作品の監督を務めていないが、テレビドラマの監督を長らく務めている。
ブルース・ラ・ブルース(Bruce LaBruce)
「ラズベリー・ライヒ」は辛辣な風刺映画であり、ゲイポルノでもあるブルース・ラ・ブルースの2004年の作品だ。
「ハスラー・ホワイト(1996)」「スキン・フリック(1999)」など、過激な描写でインディペンデント映画のカルト的人気を誇っている。
ラ・ブルースの作品の殆どは本番行為の性描写が挿入されており、観る者をハラハラさせてくれる。
P. メンドーサ(H. P. Mendoza)
2006年に公開されたカルト映画である「Colma: The Musical(原題)」の脚本と音楽を担当したメンドーサは、2009年に「Fruits Fly(原題)」で監督を務めた。
どちらの映画もサンフランシスコ・ベイエリアが舞台になっており、メンドーサ自身が慣れ親しむアジア系アメリカ人とLGBTコミュニティに焦点が当てられている。
メンドーサの作品は低予算として知られており、2012年に公開されたホラー映画「私はゴースト」の制作費はわずか105万円($10,000)で、その大部分はクラウドファンディングで集められた。
橋口亮輔
日本人のオープンリーゲイの映画監督・橋口亮輔。
二丁目で働く主人公を描いたゲイ映画「二十才の微熱(1992)」は、劇場記録を塗り替える大ヒット記録。90年代のゲイブームのきっかけを作った作品となった。
二作目「渚のシンドバッド(1995)」三作目「ハッシュ!(2002)」では、日本のみならず国際的な賞を数多く受賞している。
そんな日本のゲイ映画界を代表する橋口監督と、漫画家・田亀源五郎氏の「LGBT映画対談」はこちらの記事にてチェック。
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