2025/12/04

SNSを震源とする不祥事も。2025台湾のLGBTニュース

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こんにちは!台湾在住ライターのMaeです。

 

2025年も残すところ、あとわずか。この1年の台湾では、LGBTに関するどのような出来事が起こったのでしょうか?現地で話題を集めたニュースをピックアップしてご紹介します。

 

ねじれ国会の影響が波及?性別平等政策預算が削減の危機に

 

台北にある總統府の外観

 

2024年に投開票が行われた台湾総統&立法委員選挙。総統選挙では蔡英文氏の後継として出馬した与党・民進党の賴清德氏が当選。

 

過去8年間に引き続き、民進党主導の政権運営が決定しましたが、立法委員(日本でいう国会議員に相当)を決める選挙では、民進党が単独過半数を割り込み少数与党に。野党である国民党と民衆党が議席を拡大し、「ねじれ国会」の状態に陥っています。

 

その影響は、LGBTコミュニティへも波及。今年1月の政府予算案審議にて、LGBTを含む性別平等政策関連予算のほぼ全額となる1,627万元(=約8,100万円)の削減が提案されました。

 

この提案を受け、民間のLGBT関連団体は国会での理性的な審議を求める声明を合同で発表。最終的には150万元(=約746万円)の削減に加え、条件付きでの解凍を認める150万元の凍結という形で決着。

全額削減の危機こそ免れたものの、立法院内での勢力の変化を象徴する出来事となりました。日本円表記は1元=4.98円で算出。

 

西門町のレインボー横断歩道が消えた!? その真相は?

 

6號彩虹のあった場所が、一面アスファルトに。

 

台湾で同性カップルの結婚が実現した2019年。同年には、台湾No.1LGBTフレンドリーエリアとして知られる西門町にレインボー横断歩道「6號彩虹」が誕生。台北の街の新たなランドマークとして人気を博していました。

 

ところが今年7月になり、突如6號彩虹が消失。6色のレインボーで彩られていた現場は真っ黒なアスファルトで舗装され、SNS上ではその理由について様々な憶測が飛び交いました。

 

 

TAIPEI」の文字が反転し、歩行者街側に向いたモデルチェンジ後の6號彩虹。

 

その真相は、台北市の観光を司る公的機関・臺北市政府觀光傳播局の発表にて判明。永久的な撤去ではなく、道路工事のための一時的な撤去であることが伝えられました。

 

工事は8月上旬に無事完了。6色の塗り直しに加え、新たな6號彩虹には「TAIPEI」の英文字を上下逆転させたモデルチェンジも。文字の方向が変わったことで、西門町らしい賑やかな歩行者街を背景に収められるようになりました。

生まれ変わったレインボー横断歩道で、記念撮影をぜひ。

 

参加者15万人の裏側で。台湾LGBT+プライドに炎上事件が勃発

 

台灣同志遊行で掲げられた「トランスジェンダーを排除するパレードはいらない!」と書かれたプラカード

 

10月25日(土)に開催され、参加者15万人を集めた「台灣同志遊行(台湾LGBT+プライド)」。

今年も大盛況となりましたが、パレード前には炎上事件も。パレード主催団体スタッフの1人がSNS上にて、LGBT運動の先駆者たちへの批判やトランスフォビアと取れる発言をしたことで、LGBTコミュニティに衝撃が走りました。

 

この事件を受け、台灣同志遊行の主催団体は公式な謝罪文を発表。当該スタッフの発言に関して陳謝し、団体全体としての意向ではない完全なる個人の発言であったこと、特定のセクシュアリティを排除する意図は団体側には全くないこと、すでに当該スタッフの任を解いたことなどについて触れられました。

 

 

台灣同志遊行の前夜に行われた「台灣跨性別遊行(トランスマーチ)」の様子

 

主催団体が採った処置への妥当性に疑問の声も上がる中で行われた当日のパレードでは、「トランスジェンダーを排除するパレードはいらない」など、抗議の意味を込めたプラカードが掲げられる場面も多数。

 

また、パレードの前夜に行われたトランスマーチ「台灣跨性別遊行」にも、およそ3,500人が参加し、今回の炎上事件に言及しながら、改めて社会に向けて支持を呼びかける声が届けられました。

 

人工生殖法の改正に進展。代理母関連の規定は見送りに

 

 

 

代理母に関する規定を盛り込むか否かの討論が行われていた「人工生殖法」の改正法案。まだ立法院での法案審議は行われていませんが、代理母に関しては別途討論する必要があるとして、今回の改正法案には盛り込まれない方向で固まりつつあります。

 

人工授精を活用できるのは、結婚をしている異性カップルに限定されている現行の人工生殖法。改正法案では、独身女性や女性同士の同性カップルに適用範囲を広げるかどうかが大きな焦点となっており、早ければ年末にも立法院での審議に入る見込みです。

 

また法案審議とは別のところで、代理母への配慮の欠如が巻き起こした事件も。

同性のパートナーとともに海外で代理母出産により子供を授かった男性が、適切な加工処理を施すことなく出産中の様子をSNSにアップ。代理母のプライバシーを侵害しているのではないかと、炎上事件が巻き起こっています。

 

代理母出産を検討する可能性が高い、男性同士の同性カップル。代理母を法律上で規定する場合の倫理的考慮に加え、ここに来て出産をお願いする側のモラルを疑問視する声も上がり始めています。

 

***

 

2025年台湾で話題となったLGBTニュースを、ピックアップしてご紹介しました。

 

個人の発信力が高まっている現代だからこそ、自身が置かれている立場や相手を思いやる気持ちについて、改めて熟考したい。SNSを震源とするそんな不祥事が目立った印象の1年でした。

 

 

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