こんにちは GENXYのサブカル担当 モのつく人です
今回はなんと前回の続きです
<前回のあらすじ>
とある芸人の方が投稿していたハッシュタグ #ゲイホイホイ がプチ炎上。
一方その頃TOOTも下町ゴリラズのプリマヴェーラなグラビアを公開しこちらはうっとりムード。可燃性と不燃性を分けたものはなんだろうといろいろと想像しつつ、ゲイホイホイさんご本人にTwitter経由でDMを送ってみた私なのでした。
↑
タイトルとかカオスでしたが、お伝えしたいことは「自分の内なる差別心と向き合おう」みたいな話です お暇なら読んでみてくださいね
まだやるのかって???
いや、私も鮮度的にはすでに微妙だと思うのですが(2020LGBTニュースに残れるかどうかも危うい どうですか月次LGBTニュースを控えていらっしゃる八方不美人のちあきホイみさん 3月だったら「コロナウイルス対策で60代以上の入場をお断りしたゲイイベント」とかがホットじゃないですか???)、
しかしながら「なるほどこれは」という気づきがあったので続けさせてください。
まずは、#ゲイホイホイ でプチ炎上したグラウンド・ゼロ こと ぽじてぃぶ。の内山さんからお返事をいただきましたので、バッとご紹介します。
2020年初ムキムキ投稿🕺🏻✨
YouTubeもよろしくね🐁✨https://t.co/HfIqpn3mHi#内山さん #ジム pic.twitter.com/hZWGOQpzUa
— 内山さん🕺🏻✨ (@masakinman7322) January 2, 2020
▲内山さんです
(モ:ということで、#ゲイホイホイ 誕生の経緯までを伺いました)
ゲイホイホイさんこと内山さん:
私自身ゲイではないのですが、 tiktokで上裸の投稿や、ぴっちりしたズボンをよく履き、股間がどうしてもモッコリしてしまうことがあり、ゲイのフォロワーさんも多くついてくれました。
半年ほど前から「#ゲイホイホイ」というハッシュタグで上裸の写真を投稿しており、好評をいただいていました。
(モ:なるほど、自分発信だったのね)
内山さん:
「ホイホイ」というのが、ゲイAV「淫夢の夜(モ注:「真夏の夜の淫夢」)のことです」や、ゲイ漫画の「ウホッ!!いい男たち」でよく使われており、ゲイ業界ではよく使われるワードなのかと思っていたので特に悪意はありませんでした。
(モ:!!!! 問題のコア見つけた! まさか令和の世にまで「淫夢」が!!!)
内山さん:
炎上が起きる前もフォロワーの方から「ゲイホイホイお待ちしてます!」と声をいただいており、月に一回ぐらいのペースで投稿しておりました。
しかし、今回過激なゲイの方からの引用リツイートにより、ゲイ界隈のいろんな方々から注目されるようになりました。
(モ:確かに過激でしたね 過激……)
内山さん:
僕自身は悪意も無いですし、なににそんなに怒っているのか理解できませんでした。
ありのままをお伝えしても過激なコメントをするくらいなので話しあいにならず、たくさん拡散してしまいましたが
(モ:確かに質問とかしてた…。しかしヒスったゲイ姐さんはもとより、淫夢の人との感覚のズレをどうにかするのは難しい そんなふたりが出会ってしまったのだわ)
内山さん:
しかし、逆にもっとゲイのフォロワーがついてしまいましたので、少しゲイ界隈から注目されてしまうかもしれませんね。
(モ:も〜ちゃっかりさんなんだから〜^^ そしていじればいじるほど思う壺!と言っていたヤスコ・リゥさんたちが一番正しいです すみませんでした)
…さて、いったんここまでです。
スゥ…(息を吸う音)
すごく驚いたけど、すごく腑に落ちました あ 私だけですか?
そもそも淫夢ってなんだっけ そうですね。
私世代以上のインターネット老人会の皆様には釈迦に説法かと存じますが、物心ついた時には全部「むかしのこと」であったボーイズ&ガールズもいらっしゃると思いますので、先程の「淫夢」「ウホッ」についてざっくりご説明いたします。
調べてみたらもう2000年代〜2010年代くらいのこと、
ノンケの間で、というか、2ちゃん〜ニコニコ動画全盛期のネット民の間で?
「(ちょっぴり古い)ゲイ向けのエロコンテンツを掘り返して楽しむ文化」みたいなのが流行りました。
その元祖的存在(?)は「ウホッ!!いい男たち」こと山川純一こと“ヤマジュン”先生のエロコメ(?)マンガ「くそみそテクニック」ではないかと思います(間違ってたらごめん 俺ももう覚えていない)
内容としては「男未経験のボクが偶然通りかかったハッテン公園で見かけたいい男が突然勃起を見せてきたので一緒にトイレの個室に入りなんやかやあっていい男の直腸内に放尿(専門用語では「温泉浣腸」と言うそうです)をかましたあと今度は掘られていたら便意もきちゃった!(ズッコケ)」みたいな話です(記憶だけで書いてるので合ってたら褒めてほしい)。
初出は1987年の薔薇族ということで、まあコミカルな展開とセリフ回しなんかがほんとに当時の“エロコメ”していて私達ゲイにとっても面白すぎたわけですが、一部の人たちは「ゲイの世界ってこういうものなんだな」と思う現象があったわけなのです ねえよ!!!!
(しかし私も知った時は、ルミエールでずっと古めかしい写真集の隣で売ってた中の絵もロクに見えない変なタイトルと装丁のマンガがこんなに面白かったなんて!と驚いたものです)
作品中のセリフ「ウホッ」「やらないか」「すごく…大きいです…」「しーましェーン」などはインターネットミームとして細々と残り続けている…いるんだ!!!すごい!!!
そういうふうに「ゲイ向けエロコンテンツおもしろ発掘合戦」みたいになっていた頃がありましてですね、ニコニコ動画の隆盛とともにMAD動画なども大量に作られて、ちょっとしたムーブメントになってしまっていたのです。
その後、洋物AVの導入部?におもしろ字幕をつけた「ガチムチパンツレスリング」(「歪みねえな」とかのやつ)とかもあったのですが、やつらがそういう鉱脈を掘り返しているうちに満を持してあらわれたのが「淫夢」だったのです。
2010年ごろ、2001年発売のコートコーポレーションの「真夏の夜の淫夢」に代表されるセクシービデオの「導入部のドラマパート」におもしろ字幕をつけた一連の動画がネットに溢れました。
そのネタが好きな人は「ホモガキ」とか「淫夢厨」とか呼ばれていたのでした(動画を見たい人は適宜インターネットの海に飛び込んでください)。
脚本はVシネ的な感じで、さらに出演者はプロの俳優ではない。控えめな演技力でベタなセリフを言いながらも、さらにハードめなゲイセックスが展開される。
そんな感じがたぶん面白かったのだと思います(ごめん、あんまり見たことがないの)
「アッー」「ンギモッヂイイ」「あくしろよ」「小並感」「黒塗りの高級車に激突してしまう」
上記は、全部“淫夢”関連作品の発祥だとされているインターネットミームです。
まあ他にも・超☆いっぱいあるのですが、なじみがなくても目にした言葉がある人も多いのではないでしょうか。
それらのビデオに、現役の野球選手が出演してたことがすっぱ抜かれたことや、その中の男優さんを悠久の時を越えて女装ノンケ大島薫さんが探そうとしたりして騒動となったりと、何かといわくつきのエピソードが多いのも、淫夢界隈なのです。
ゲイ的にはもう忌み言葉っぽくなっているもの、と思っていただければよいでしょう。
わたしはその頃もうすでにコートコーポレーションの会長とよく酒場で遭遇する年齢となっておりましたので特に興味もなく、って感じだったのですが、
ああいうのが中学とか高校とかで流行っててクラスの陽キャとかに「やらないか」だの「アッー」だのと“淫夢いじり”されたらたいそうウザかっただろうな〜〜なんて思っています。
〜ここで内山さんのやりとりに戻ります〜
(モ:さて内山さん、もともと我々ゲイがこっそり楽しむためのコンテンツに対して、それをわざわざ掘りに来て面白がるストレートの文化自体がそもそも差別的なニュアンスなのだと思います(あと、あれはフィクションだから…)
おそらくその「ノリ」自体が、悪意はなくとも一部の人にとって不快に思われたという側面もあるのではないでしょうか。)
内山さん:
そうですね、そういう意味では軽率な発言をしてしまったと思います。
私もゲイ界隈のことを理解してなかったので少しずつ理解していきたいですね。
(モ:よし!!!
最後に、内山さんは俺たちゲイに言っておきたいことはありますか?)
内山さん:
これは言っておきたい…
「内山さんはノンケなので変なDMは送らないでほしい…」ですかね。
……まったくお前ら(※)はほんとに!!!!
(※ もちろん「内山さんに変なDMを送る人」です ぶつよ!!!)
というわけで結果、想像よりもずっと得られるものがありました。
たまには粘着おじさんもしてみるものですね(ありがとうございました)。
俺たちが認識(アンド絶望)しなければいけないことは2つ!!!
ということです!!!
リアルBLであるところの俺たちは、ファンタジーBLであるところの「淫夢」にそんなに馴染みがあるわけではありませんよね。そもそも2001年作品……20年前の呪い!!!
しかし淫夢を「ほがらかな文化」とする向きは脈々と受け継がれているっぽいので、
我々ひとりひとりが「淫夢がなぜダメなのか」ということをきちんと説明できた方が、そういう方との相互理解も深まるのではないでしょうか。
ていうか改めてお伝えしますが、2020年にもなって
「許される間柄」ではない人にセクハラっぽいDMとか送るのは控えましょうね!!!