アジア最大級の映画祭・東京国際映画祭が、10月23日(木)~10月31日(金)の計9日間で開催される。
オープニングを飾るディズニー映画『ベイマックス』や、クロージング作品『寄生獣』など、すでに話題沸騰の映画も多く、今年は100作超のバラエティーに富んだ作品が公開される予定だ。
しかし、上映作品が100作品を超すとなると、どれを観ようか迷ってしまうところ。そこで、映画祭の主要6部門別、注目すべき作品をピックアップして紹介していこう。
【コンペティション部門】
コンペティション部門では、計15作品の中から今年の『東京グランプリ』が選ばれる。
特に注目すべき作品は、直木賞作家・角田光代原作の『紙の月』だ。『桐島、部活やめるってよ』の鬼才・吉田大八監督がメガホンをとり、宮沢りえが主演を務める話題作。真っ当な人生が徐々に狂い始める、感情を揺さぶる衝撃のヒューマンサスペンス。
―STORY―
バブル崩壊直後の1994年。夫とふたり暮らしの主婦・梅澤梨花は、銀行の契約社員として外回りの仕事をしている。細やかな気配りや丁寧な仕事ぶりで顧客からの信頼も得て、上司からの評価も高い。何不自由のない生活を送っているように見えた梨花だったが、自分への関心の薄い夫との間には、空虚感が漂いはじめていた。そんなある日、梨花は年下の大学生、光太と出会う。光太と過ごすうちに、ふと顧客の預金に手をつけてしまう梨花。最初はたった1万円を借りただけだったが、その日から彼女の金銭感覚と日常が少しずつ歪み出し、暴走をはじめる。
©2014「紙の月」製作委員会
126分 日本語 Color | 2014年 日本 | 配給:松竹株式会社
http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=21
【特別招待作品部門】
今後公開される話題作をいち早く紹介する、特別招待作品部門。
映画祭のクロージング作品として上映される『寄生獣』に注目だ。日本を始め全世界にファンを持つ人気漫画の実写化とあって、多方面から注目を集めている。
―STORY―
人間が食物連鎖の頂点に立つ時代は、突然終わりを告げた。人間に寄生・擬態し、人間を捕食する新種の寄生生物パラサイトが出現!高校生・泉新一と、彼の右手に寄生した”ミギー”の奇妙な友情と戦いが幕を開ける。
©映画「寄生獣」製作委員会
日本語 Color | 2014年 日本 | 配給:東宝㈱
http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=311
【アジアの未来部門】
この部門では、アジア映画を対象にした映画10作品の中から『作品賞』が選ばれる。
ピックアップしたい作品はインドネシア映画『太陽を失って』。レズビアンの主人公が元恋人と自身のセクシャリティや、アラサー女として人生を見つめ直すストーリーが描かれる。インドネシアの同性婚事情や人生観についても考えさせられる作品となりそうだ。
―STORY―
32歳のギアは長年の海外生活を終えて帰国したが、生まれ育ったジャカルタは昔の面影がなく、巨大なコンクリート・ジャングルと化している。ギアと再会したナオミは同じく32歳。かつて彼女たちは恋人同士だったが、同性愛者を受け入れてくれないこの町をギアは離れたのだった。スーリヤ夫人は49歳。最近亡くなった夫に仕えてきたが、夫に愛人がいたことが分かって失意のどん底に。そして24歳のインドゥリはジムで働きながら“白馬の王子様”との出会いを夢見ている。それぞれに悩みを抱えた女たちをジャカルタの夜が包み込んでいく…。
© kepompong gendut and © soda machine films
94分 インドネシア語 Color | 2014年 インドネシア |
http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=83
【国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA 部門】
国、監督、俳優など、様々な切り口でアジア映画を特集していく部門となっており、今年は「魅惑のタイ」をテーマに計8作品が上映される。ホラー映画が盛んなタイならではの映画『ラスト・サマー』がオススメだ。タイの若手3監督によるリレー式オムニバス・ホラーで、それぞれの異なるストーリー展開が新鮮で面白い。
―STORY―
ある夏の日、若手女優ジョーイがフェイスブックに「死にたい」と書き込む。シンは彼女を元気づけようと、仲間たちと海辺の別荘へ出かけるが、そこでジョーイを死なせてしまう。その後、皆はジョーイの幽霊に怯えるようになる…。
93分 タイ語 Color | 2013年 タイ |
http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=167
【日本映画スプラッシュ部門】
日本のインディペンデント映画(自主制作映画)を上映する部門。
全11作品中、最も注目すべきは沖田修一監督最新作『滝を見にいく』。ハイキングを楽しむおばちゃん7人が迷子にあってしまうという、滑稽な演出が面白いコメディ映画だ。
―STORY―
紅葉を楽しみ、幻の滝を見て、温泉でゆっくりするはずだった…。ガイドとはぐれ山で迷子になった7人のおばちゃんが、サバイバル生活のなかでふだん忘れかけていた自分の姿を取り戻していく。
©2014「滝を見にいく」製作委員会
88分 日本語 Color | 2014年 日本 | 配給:配給:松竹ブロードキャスティング/ピクニック
http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=103
【ワールド・フォーカス部門】
海外映画祭で受賞 or 話題になるも、日本では劇場未公開という、いわば「お宝」映画をピックアップする部門。
計23の隠れた名作がひしめく中、一押しは『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』だ。13年振りに監督を務める名匠ピーター・ボグダノヴィッチ最新作として注目を集め、主演には『ミッドナイト・イン・パリ』のオーウェン・ウィルソンが繰り広げるドタバタ系ヒューマンコメディー。
―STORY―
新進のハリウッドスターが、記者からインタビューを受けている。高級コールガールを商売にしていたことを恥ずかしげもなく振り返り、そこから彼女のキャリアのきっかけを作った舞台演出家を巡る爆笑の物語が語られていく…。
93分 英語 Color | 2014年 アメリカ |
http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=151
***
ドキュメンタリー、シリアスな作風からラブストーリー、コメディーに至るまで、100作品以上が一堂に会する東京国際映画祭。人気作品はすでにチケット完売も出ているので、気になる作品は公式サイトをチェックして早めにゲットしよう!
今週・来週と、映画好きにとってはたまらない映画ウィークとなりそうだ。
第27回東京国際映画祭
2014年10月23日(木)~10月31日(金)
会場:六本木ヒルズ(港区)、TOHOシネマズ 日本橋(中央区)、歌舞伎座(中央区)
公式サイト:http://2014.tiff-jp.net/ja/