毎年12月1日は「世界エイズデー」。
ゲイたちにとっては切り離せないHIV/エイズについて、2019年に話題になったニュースを4つピックアップして紹介!
あなたはいくつ知ってるかな?
HIV/エイズの新規感染者数は、実は去年から下がってきている。
ここ10年間は毎年1500人前後と横ばいだったが、2017年には1,389人と、11年ぶりに1,400人を下回ったのだ!
そして最新データでは、2018年度の新規感染者数は1,317件とさらに減少した。
しかし、全体の約29%は発見時にエイズを発症している「いきなりエイズ」状態。
エイズは、HIV感染してから(一般的に)5年以上をかけて発症するため、早めに発見することがとても大事。
現在は医療が進んでおり、もしHIVになったとしても今までと変わらない生活が送れる。怖がらずに年1回は定期検査をしよう!
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今年7月、史上初めて、HIVウイルスに感染した生物からウイルス除去に成功。科学誌「ネイチャー」に掲載され大きな話題になった。
マウスを使った実験で、遺伝子のゲノムを改変し、ウイルスを体内から完全に取り除くことに成功。除去できたのはマウス全体の3割程度だが、HIVを完全に体内から除去したのは世界初の快挙。
研究チームによれば、すでに霊長類での実験に乗り出しているという。
近い将来、HIVは完治できるかも…!?今後の研究に注目したい。
世界ではゲイをカミングアウトする有名人は多いが、ここ最近は「HIV陽性」であることをカミングアウトする人が増えてきた。
日本でも大ヒット中のNetflix「クィア・アイ」に出演中のジョナサン・ヴァン・ネスらだ。
カミングアウトした有名人らは、いまだに社会全体としてHIVへの偏見があり、そのスティグマを解消するために公表したと話している。
しかし、悲しい理由でHIVを公表しなければいけない人物もいた。
”ヒゲ女装”で知られるユーロビジョンの王者コンチータ・ウルストや、元ラグビー英代表のギャレス・トーマス選手だ。
2人は、第三者から「HIVであることをバラす」と脅迫を受け、自らカミングアウトした。
ギャレス・トーマスは、メディアの取材に対して「HIVは恐いと考えられています。多くの恐怖と無知に包まれている。でも、その恐怖の多くは80年代の広告から受けたものです。2019年の今、怖がることは何もありません」と語り、それに対して英ヘンリー王子が賞賛コメントを送った。
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アメリカで発表された最新の報告書によると、HIVの新規感染の約40%は「HIV陽性であることに気づいていない人」から感染したそうだ。
そして、HIV陽性に気づいていない人と、HIV陽性で治療を受けていない人からの感染で全体の80%を超えるという!
特筆すべきは、正しく治療をしているHIV陽性者がHIVを移したケースはゼロということ。
治療をしてウイルスが検出限界以下であれば、”感染していないこととほぼ同じ”状態であるため、他の人に移す確率は0%ということが科学的に証明されている。
この「検出限界以下は感染しない」ことを『U=U』という。
ゲイたちの間でも意外と知られていないU=U。ぜひとも覚えておいてほしい。
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ゲイにとって、HIV/エイズは人ごとではない。
12月1日の「世界エイズデー」をきっかけに、HIV/エイズについて考えてみよう!