二人の思い描く理想のカミングアウトとは?
公にカミングアウトしてはいないものの、将来的にカミングアウトを強く考えていると話す二人。彼らの思い描く理想のカミングアウトとはどういうものだろうか?
野村さんは、ストレートたちが抱く「ゲイのイメージ」を変えたいと話す。
「TVで取り上げられるゲイは、コメディ要素の強いオネェタレントや、女装家の方たちばかり。ストレートの人たちが抱くゲイのイメージに偏りがあるように感じます。僕たちのような、一般的にはお堅い仕事である警察官と消防士がカミングアウトをすれば、ゲイのイメージを大きく変えるキッカケになると思っています」
「今はまだ顔出しできないですが、今後は仕事で成果を上げ、かつプライベートでも輝いて、将来的には現役の警察官&消防士のカップルとしてカミングアウトしたいですね!」
二人が社会へ訴えたいこととは?
二人が社会に対して訴えたい、変わって欲しいと求めることはなんだろうか?
野村「僕は社会に対して変わって欲しい事は特にないですね。というのも、LGBTの当事者である僕らが、良いように変わっていくべきだと思っているからです。同性パートナー条例など社会も少しずつ前進していますが、社会がLGBTに寛容になるのを待つ「受け身」ではなく、こっちから良いイメージを発信していこうよ!という感じですね」
木下「僕も彼と同じ意見ですね。昔はゲイであることに後ろめたさを感じていましたが、今はゲイかどうかあまり関係なく、自分自身がどうあるべきかを考えて行動しています。今はゲイの消防士であることに誇りを持っています」
「将来的に公にカミングアウトした際には、誰がなんと言おうが自分は自分だと、胸を張って言えるよう目指したいですね」
全国の公安職のゲイたち、もしくは公安職を目指しているゲイたちに伝えたいメッセージとは?
木下「僕たちのように『ゲイの公安官もいるんだよ』という事実を知ってもらうことで、若いゲイの人たちに希望を与えることができたら嬉しいですね」
野村「公安職についている、もしくは目指している若いゲイの子たちに伝えたいことは、『ゲイだから』という理由でネガティブにならないで欲しいです。
ネガティブな人は周りから叩かれやすいんですよ。例えば、何かで凹んでいる時って、ゲイを理由にしちゃうこともあると思うんです。そうではなく、自分の置かれた場所で精一杯咲いて欲しいです」
「人生一度きりなので、自分のやりたい仕事や夢をゲイだからという理由で諦めずに頑張ってほしいですね」