渋谷区の同性カップルへの施策をきっかけに、同性婚に関する議論が国内で活発化している。
同性婚を認めると「少子化が進む」という反対意見が多く見られるが、ここで英国・イングランドの養子縁組の事例を見て欲しい。
英国では2005年、同性カップルに異性カップルと同じ養子縁組の権利を認める「市民パートナー」法が施行された。(2013年には同性婚法案可決)LGBT養親/里親家庭支援団体によると、英・イングランドで同性カップルに引き取られた養子の数は、2007年時点で90人だったが、2014年には340人に増加。伸び率はなんと約3.8倍という高い結果となった。
英・児童支援チャリティ団体Barnardo’sによると、2014年は養子縁組を手配した123人の子供のうち、16人がLGBTの養親のもとに迎え入れられた。これは全体の13%に登り、全国平均の2倍以上高い数値とのことだ。
英国の例から、LGBTたちが里親家庭・養子縁組家庭の重要な受け皿となっていることが分かる。子供を持てないLGBTだからこそ、里親制度を利用するケースが増加し、結果として少子化に貢献する好例になっている。
さて、里親制度について日本はどうなのか?
日本は、里親制度の普及率12%(2011年時点)と、世界の先進国に比べ平均5分の一以下という非常に低い水準にある。
日本では施設依存型の為、ほとんどの児童が里親に引き取られず成人に至る現状があるのだ。これを改善する為、様々なNPO団体が里親制度の普及に努めている。
また、LGBTの養子縁組をサポートする団体、レインボーフォスターケア(RFC)も積極的に活動を行っている。
日本において里親の普及を図る上でも、同性婚は大きなメリットになり得るかもしれない。