薬物を使用したセックス経験のある、4人に1人のゲイ男性が「薬物セックスで死んだ人を知っている」という驚きの調査結果が、LGBTメディア「ゲイスターニュース」とゲイアプリ「ブルード」の共同調査で明らかとなった。
また、薬物セックスを好むゲイやバイ男性が増加していることも明らかとなった。
調査は世界初となる「ゲイと薬物セックス」に関する大規模な調査であり、1,117人が協力した。
ゲイたちの「薬物セックス」事情
今回の調査結果をまとめると以下の通りだ。
・およそ4人に1人(23%)が薬物を使用したセックスで死んだ人を知っている
・ほぼ3人に2人(60%)が、薬物セックスを行なった結果、鬱や不安症を経験している
・薬物セックスが行われている環境では10人に1人が性的暴行の被害にあっている
・10人に1人が薬物セックスのために服用した薬物が原因で救急搬送されている
・23%がGBH(γ-ヒドロキシ酪酸)という薬物セックスで使用される薬物でオーバードースを経験している
・10人に3人は一人で薬物を使用しAVを見ながらオナニーをしている
・半数以上(53%)が、「薬物を使用している時の方がリスクを冒す」と自覚している
ロンドンのセクシュアルヘルスクリニックを代表するデイビッド・スチュアートによると、上記の調査結果は「患者から聞く話とほとんど相違はない」ということだった。
ゲイ・バイセクシュアル男性がセックスに使用する薬物は?
薬物セックスでは、GBHが広く用いられているようだ。調査において「昨年、セックスで使用した薬物は?」と協力者に聞いたところ、半数がGBH、48%がティーナ(覚せい剤の愛称)と回答している。
英LGBTの福祉慈善団体の代表モンティー・モンクリフによると、「GBH、覚せい剤、メフェドロンは薬物セックスにおける魔の3大薬物」として知られているそうだ。
グラフ:「昨年、性行為の際に使用した薬物は?」
*グラフは左から以下記載。
覚せい剤(48%)
メフェドロン(32%)
GBH(50%)
コカイン(43%)
ケタミン(24%)
ラッシュ(75%)
その他(24%)
その他のドラッグには、エクスタシー、マリファナ、バイアグラなどが含まれた。なおラッシュは、UKやその他多くの国で合法となっている。
約8割が “薬物のために” ゲイアプリを利用している
調査の結果、ゲイアプリが薬物セックスをしたいゲイ・バイ男性を結ぶための大きな役割を果たしていることが明らかとなった。
5人に4人(82%)が、薬物セックスをするため、薬物を買うため、パーティーを探すためにゲイアプリを使用していることが分かった。
グラフ:「薬物セックスを行う上でアプリは役立ちますか?」
薬物セックスのためにいつもアプリを使う(29%)
薬物セックスのためにアプリを使ったことはない(18%)
薬物セックスのために月に数回アプリを使う。非アプリ経由はたまにある(33%)
薬物セックスのためにアプリを使うのは稀。月に数回非アプリ経由で薬物セックスを行なっている(20%)
また3人に2人が、ドラッグディーラーと薬物のやりとりをしており、16%はアプリ経由でドラッグディーラーを探しているという。ドラッグディーラーと直接やりとりをしていない人は、パートナーに頼る(46%)、ドラッグをもらうためにセックスをしている(7%)そうだ。
どれくらいの頻度で薬物セックスをしているか?
回答協力者の半数が、「月に1度は薬物セックスを行う」と回答している。16%の回答者は「月に1度」、15%の回答者は「月に2度」、14%の回答者は「毎週末」、そして4%の回答者は「毎日」と回答した。
その他の回答者にとって薬物セックスは、突発的な行為のようだ。4分の1の回答者が「年に数回」と答え、3%の回答者は「休日に行なっただけ」と答えている。
みんな薬物セックスをしているのか?
「薬物セックスパーティー」などというものが、大々的にニュースに取り上げられたりするが、薬物セックスパーティーに参加したことがある薬物セックス経験者はあまり多くないようだ。
調査では、回答者の3人に1人だけが薬物セックスパーティーに参加したことがあることを明らかにした。他の回答者は、セックスパートナーと個人的に薬物セックスを行なっているという。
グラフ:「普段薬物を一緒に使用する人は?」
恋愛関係にある彼氏と(29%)
セフレと(50%)
初対面のセックス相手と(56%)
一人でAVを見ながら(30%)
薬物絡みのパーティーで(34%)
30%の回答者がポルノを見ながら一人で行なっているように薬物セックスは、悲しい経験にもなり得るようだ。
薬物セックスについてゲイスターニュースでも語ってくれたリアム・マクレランドは、「薬物セックスの扉を開いてしまったことは、大きな誤りだった」と後悔している。彼は、最終的に上記の30%の人々のように、不安や孤独から逃れるために、一人でも薬物に浸るようになってしまったという。
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