イギリスと米カリフォルニア州に在住の280人のゲイ男性を対象とした調査が実施され、「ストレート男性を装っている」ゲイの37%は、「女っぽいゲイは、ストレートを装って生活しているゲイに対して悪影響だ」と考えていることが明らかとなった。
また同調査によると、「ストレートを装っている」ゲイは、そうでない人に比べてヘイトクライムや嫌がらせなどの同性愛嫌悪、いわゆるホモフォビアを経験する可能性が低いことも明らかとなった。
調査結果によると、ホモフォビアを経験したことがない「ストレートを装っている」ゲイの割合が56%であるのに対し、ホモフォビアを経験したことがない、それ以外のゲイの割合は、26%だそうだ。
ストレートを装っていないゲイは、「ストレートを装っている」ゲイよりも2倍の確率でホモフォビアを経験する可能性があるということを、調査は示唆している。
さらに「ストレートを装っている」ゲイ男性の35%は、自身を「ゲイよりもストレートのコミュニティに属している」と捉えていることも明らかとなった。
ゲイたちに内在化するホモフォビアの表れ
同調査を実施したカル・ストロード氏はこう語る。
「調査結果を見る限り、フェミニンなゲイが、「ストレートを装っている」ゲイから一斉攻撃を受けている状態です。グラインダーなどのゲイ出会い系アプリの登場によって、ゲイたちが自身をどのように見せたいかが、以前と比べて随分と可視化されました。そこには「女らしさ嫌悪」が見てとれます。我々は、その「女らしさ嫌悪」を解消するために挑戦すべきなのです」
「「ストレートを装っている」ゲイを批判するのは賢明とは言えませんが、我々は、彼らのフェミニンなゲイ男性に対する姿勢は、内在化したホモフォビアの表れ、もしくは「ストレートとして見られる」ことで得られる特権に由来しているという気づきを与える必要があります」
「残念ながら、我々は、皆が社会やコミュニティにおける抑圧や特権の構造、そして人々がそれらをどのように扱うかについて学術的な知識を持つことを期待することはできません。従って、誰もが理解と共感ができるような建設的な対話の方法を考える必要があるでしょう」
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