2019/11/08

ゲイカップルの「オープンリレーションシップ実態」(前編)

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あなたは「オープンリレーションシップ」を知っているだろうか?

 

オープンリレーションシップとは、交際をしているカップルが、お互い同意の元で他の人とセックスをする行為。

欧米のゲイカップルの中ではよく見られるが、日本ではなじみが少ない。

 

そんな知られざる日本のオープンリレーションシップ実態をGENXYでは徹底調査!

実際にオープンリレーションシップを行い、良好なカップル生活を送っている4人に話を聞いた。

(前編・後編でお届け。後編はこちら

 

 

Illustration : MAKITO

 

今回紹介するのは、「セックスレスに陥り、オープンリレーションシップになった」という2組のゲイカップルだ。

 

オープンリレーションシップは最終手段だった

1人目は、39歳で東京住みのダイスケさん(仮名)。

交際歴14年、そのうち同居歴も7年と長い交際をしており、パートナーとの関係は良好だそうだ。

 

そんなカップルは付き合い1年目にして深刻なセックスレスに陥った。

「服装を変えてみたり、ジムに通ってカラダを鍛えたりとできる努力はすべてやったつもりです」とダイスケさんは当時のことを振り返る。

 

それでもセックスレスは改善されず、3ヶ月ほど距離を置くことに。

 

距離を置いている期間中、ふと訪れたハッテン場で会った人に3Pに誘われる──。

慣れない3Pに戸惑いながらも、今までにない充実感と新しい刺激を感じた。セックス後、その2人がカップルだと知りさらに驚いた!

 

「こんなカップルの形もあるんだ!と衝撃を受けましたね」

それがオープンリレーションシップを考えるキッカケになった。

 

その後、距離を置いていた彼と再度話し合いの場をつくり3P体験談を話してみた。

「こういう形の付き合い方もあるから自分たちもどう?」と提案したところ、相手は意外にも乗り気だったという。

 

「距離を置く理由がセックスレスなのは2人とも明確でしたから。オープンを提案したとき最初は驚いていましたが、すんなり受け入れましたし、なんならその新しい関係性にワクワクした印象すらありましたね」

 

ダイスケさんは提案した側ではあるが、正直あまり乗り気ではなく、相手が断ればあっさり諦めるつもりだったという。

 

「相手が望むなら…」と、別れの打開策としてスタートしたオープンリレーションシップ。しかし一筋縄ではいかず、現在までさまざまな段階を経てきた。

 

「最初はホテルにウリ専を呼んで、3P形式でのオープンリレーションシップがスタートしました。ただ、ウリ専を選ぶにあたってもお互いタイプが一致する人を見つけるのに苦労しましたし、そもそも自分も彼も3Pが経験値が少ないので、求めているセックスが出来ずにいました」

 

しっくりこないと感じた2人は、その次はハッテン場での3Pを試みた。

「ハッテン場内で交互にセックス相手を見つけてくるスタイルです。『今回は自分が声かける、次回は君ね』的な感じですね」

 

その際は、セックス相手と必要以上にコミュニケーションを取らないことがルールだったいう。

 

最初は3Pでスタートしたが、1〜2年ほどすると徐々にハッテン場内で別々にやるようになり、最終的にはそれぞれ別のハッテン場に行くようになったという。

 

ただし、必ずハッテン場でセックスするときは一緒に行く。そして、セックス後は近くの喫茶店でミーティングをするのが2人のルールとなった。

 

「必ずハッテン場あとは喫茶店で話し合うんですよ。どんな人とどんなことをヤったのか報告し合う。相手のことを把握したいというよりは、セックスを通してのコミュニケーションの場になっていて、最後には必ず『今日は楽しかったね、気持ちよかったね』という感じで締めくくっていました」

 

たとえ違う人、違うハッテン場でやっていても、内緒しないがお互いのルール。

 

カラダは触れ合わなくとも、2人は性のコミュニケーションを通して間接的にセックスをしていた。

 

スケジュール共有アプリで、ストレスフリーな性生活に

そんなハッテン場生活を7年ほど続けたのち、現在は完全別々でセックスをするオープンリレーションシップの形に落ち着いた。

 

その際は、「スケジュール共有アプリ」を使ってお互いの予定を把握しているそうだ。

 

アプリでは、セックスの予定以外にも、友達と飲みに行くなどプライベートな予定をすべて共有。

面白いのが、もし何か予定を空けてほしい場合になるべく”セックスの予定はズラさない”そうだ。

 

「オープンリレーションシップの目的は性生活をストレスフリーにすることなので、相手のセックスの予定は第一優先にするようにしています。もし予定を空けてほしいときは『友達と飲み』など他の予定をズラしてもらうように話しますね(笑)」

 

ひらけたオープンリレーションシップを行う2人だが、嫉妬はないのだろうか?

 

「嫉妬は一切ないですね。相手には自分以外いないと分かっているので」

 

「オープンリレーションシップはセックスレスを解消する1つのツール。例えばノンケ夫婦でセックスレスで、夫がAVを見てオナニーで発散するのと同じだと思っています。人間だから性欲は生理現象だし、しょうがないのかなと」

 

現在のルールとして、①セックスの予定は必ず共有すること、②セックス相手とはエッチ以外(普通に遊んだりご飯など)はしないこと、の2点だそう。

 

ここまでオープンな価値観を話してくれたダイスケさんだが、根本的にオープンリレーションシップは否定的というから驚きだ。

 

「僕たちカップルは『別れるか or オープンにするか』という究極の二択でしたし、今のスタイルになるまでは葛藤も多かったです。なので、相手のことを心から愛しているのであれば(セックスレスで別れるのではなく)、オープンリレーションシップは一つの選択肢で、最後のチャンスかなと」

 

「彼との間にセックスはないですが、その代わり愛情の部分は増えたと思っています。(オープンリレーションシップは)簡単にいく軽いものではないと思っているので、順序立てて計画的にやるべきでしょうね」と話を締めくくった。

 

愛し合ってはいるものの超えられないセックスレスの壁。

しかしオープンリレーションシップという選択肢を持ったことで、破局の危機を乗り越え、結果として14年もの長い交際につながった。

 

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