現在完治が不可能とされている「HIV/エイズ」。
世界中で薬の開発が進むなか、国内の研究機関「医薬基盤・健康・栄養研究所」が、サルの体内からHIVウイルスの排除に成功したと発表した。
同研究所では、開発中のワクチンを「カニクイザル(サルの一種)」に接種。そのうえで、人工的に作ったHIVウイルスを体内に入れて経過を観察した。
その結果、7匹のうち4匹がHIV感染したものの、その後、HIVウイルスが体内から検出されない状態になったとのこと。
研究所によれば、ワクチンによって免疫の働きが増加したことで、HIVウイルスがサルの体内から排除されたと見ている。
同センター長・保富氏はNHKの取材にて、「これまで困難だったエイズの完治につながる発見で、治療薬やワクチンの開発が進展することが期待される」と話している。
HIVは一度感染すると体内からの排除が難しく、現状はウイルス量を抑える薬があるのみ。
世界でHIV完治した例は2〜3件確認されているものの、骨髄移植をともなうなど極めてレアなケースのみだった。
そんななか日本の研究所から届いた画期的な報告。
同研究所では、5年後をめどにヒトへの臨床試験を開始したいとしている。