Badiやサムソンの連載でしられる漫画家・野原くろと、韓国の独立出版社6699pressがコラボしたコミック『キミのセナカ』が、単行本出版のためにクラウドファンディングを実施中だ。
このコミックは、日本とおなじくカミングアウトが難しい韓国において「カミングアウトをテーマに、セクシャルマイノリティを応援する本を作りたい」という6699pressの依頼に、野原氏が応える形でスタート。
韓国では無事クラウドファンディングが成功し、2019年に単行本化。
今年には台湾で出版、フランスでは電子書籍化されているが、いまだ日本では書籍化されていない。
そこで、世界のLGBTテーマの本を翻訳出版するサウザンブックスPRIDE叢書(そうしょ)の企画と連動して、日本での単行本発売に向けたクラウドファンディングを実施している。
『キミのセナカ』は、地方都市にくらす男子高校生が、同級生にカミングアウトするというストーリー。
内気な主人公・タケルのもとに、転校生として幼なじみのコウタロウがやってくる。
柔道が好きで、心も体もおおらかなコウタロウと日常を過ごす中で、タケルの心はときめきはじめる。
今まで感じたことのない気持ちに気付き、勇気を出してコウタロウに告白するのだったが──。
大きな事件やドラマ性こそ無いものの、野原氏らしい素朴な作風で、2人の少年の揺れ動く友情、恋心、葛藤を繊細に描いていく。
読み終わりにじんわりと温かい気持ちになれる作品だ。
また、韓国のデザイナーによるシンプルで美しい装丁も見所。
素朴で暖かい田舎の風景、目が覚めるような夕焼けの美しさなど、見ていてうっとりする装丁となっている。
クラウドファンディングが成功したら今年の冬以降に発売予定。
電子書籍版は1,430円、単行本は1,650円。その他、さまざまな特典もあるので、ぜひ気になった人は応援購入してみて。