女性同士の愛を描いた話題作『キャロル』とLGBTを語るシンポジウム『六本木ヒルズ LGBT Movie Night』が、2月17日にTOHOシネマズ六本木にて開催された。
同イベントでは、『キャロル』上映会のほか、六本木ヒルズにオフィスを構えるゴールドマン・サックスやGoogleなど、LGBTサポートを行う企業の当事者や支援者約100名が集まり、昨今のLGBT問題についてトークディスカッションが行われた。
ディスカッションに先立ち、Googleの柴田氏さんが、「このような取り組みがきっかけとなって、どうしたら誰もが自分を偽らずに働くことが出来るようになるのか、考える機会を増やしていけばと思っています」と挨拶。
ゴールドマン・サックスでLGBTネットワークの支援を行ってい
『キャロル』配給元ファントム・フィルムの長壁氏は、「2年前、キャストと監督だけが明らかになっている段階から買い付けを検討しました。脚本を読んでただただ感動し、ぜひ配給したいと思いました」と作品との運命的な出会いを語るも、「ですが、ビジネスとして配給を考えた際、女性同士のラブストーリーが日本でどのくらい受け入れられるか?」と、まだまだLGBT理解の低い日本での配給はチャレンジだったことも明らかにした。
先日、来日したケイト・ブランシェットも、本作を「現代版ロミオ&ジュリエット」と表現している通り、年齢やセクシャリティを超えた純粋なラブストーリーだと語っている。
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そんな『キャロル』だが、本年度アカデミー賞の作品賞、監督賞にノミネートされなかったことが話題になっている。(ノミネートは主演・助演のみ)
このことについても長壁氏は「アカデミー賞の作品賞にも、監督賞にもノミネートされていないのは、本作の監督がゲイであることを公言していることや、女性同士のラブストーリーだからだろうとアメリカでは話題になったように、まだまだ保守的な部分はあると思います。『キャロル』のように、映画として素晴らしい作品を今後も日本で公開していきたいですし、『キャロル』が少しでもボーダーを取り払うきっかけとなっていれば嬉しいです」と語った。
映画『キャロル』は、1950年代のニューヨークを舞台に、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの美しく情熱的な恋愛模様が描かれている。メガホンを取ったのはオープンリーゲイ監督のトッド・ヘインズ。
『キャロル』は2月11日より全国劇場公開中。