米フィラデルフィアにて、LGBTの象徴「レインボーフラッグ(6色)」に、黒と茶色の2色を追加した「8色のレインボーフラッグ」が公開された。
shout out to alex velez for reppin' gran varones today at the philadelphia pride kick-off event. thanks @PhillyLGBTgov for inviting gv! 🌈❤️ pic.twitter.com/bSk4TJ9y5k
— Gran Varones (@TheGranVarones) 2017年6月9日
この2色は、LGBTコミュニティー内で見落とされがちな有色人種のLGBTを象徴するものだ。この新たな虹色の旗は、「More Color More Pride(さらなる色、さらなる誇り)」と題されたキャンペーンの一環で、プライド月間のキックオフイベントとしてフィラデルフィアでお披露目。キャンペーンは、非白人LGBTの可視化を目指すものだ。
キャンペーンを主導するハイクスは、催しで初めて新しい色のレインボーフラッグが掲げられた時、涙を堪えることができなかったという。ハイクスいわく、「フィラデルフィアが、LGBTコミュニティー内での人種差別を公に認める最初の都市である」そうだ。
フィラデルフィアの中心地にあるゲイエリアはゲイバーフッドと呼ばれ、LGBTの人々に親しまれている。しかし、ゲイバーフッドでは、これまでにバーによる人種差別的なドレスコード規定やクラブ経営者の人種差別発言が動画のリークによって明るみに出るなど、人種差別が見られてきた。今回のキャンペーンと行政の取り組みはそのような問題に訴えかける一つの方法だそうだ。
ハイクスは「新しいレインボーフラッグをお披露目してから、多方面から賞賛の声を受けている」という。
「私たちのキャンペーンは、コミュニティー内における人種差別についての対話を始めるきっかけを作ったのです」
一方で、非難を浴びせる人たちもいるという。
「非難をするほとんどの人たちが、有色人種のLGBTの人々が経験する困難を理解しているとは限らない白人ゲイ男性たちです。白人には、人種差別は理解できません。それこそが、人種差別の定義なのですから」
米ワシントンD.C.を拠点とするシンクタンク、ピュー研究所が2013年に行なった調査によると、合計1,197人のLGBT調査協力者の34%が非白人だったという。同調査では、非白人よりも白人LGBTの方が、社会のLGBTの受容を楽観視していることが明らかになっている。