最新の調査によって、ロンドンに住むLGBTの約半数がヘイトクライム被害に遭っていることが明らかとなった。
今年発表されたプライド・イン・ロンドンによる同調査によると、2014年に同性婚が合法化されてから、LGBTに対するヘイトクライムは増加傾向にあり、実に35%も上昇したという。
「多くの人々がロンドンは先進的な都市だと考えていますが、LGBTコミュニティーに対する憎悪は大きな社会問題となっています」と、プライド・イン・ロンドンは調査結果を受けて声明を発表した。
ロンドン・メトロポリタン警察本部長でありヘイトクライム撲滅を指揮するデイブ・ストリンジャー氏はヘイトクライムの増加について「被害者の多くが勇気を持って通報するようになったから”増加した”結果になった」と述べていた。
しかし、プライド・イン・ロンドンは、警察にヘイトクライムを通報しなかった被害者がいることを調査の中で強調した。
ロンドンに住むヘイトクライムの被害者となったLGBTのうち、たった21%のみが警察に被害を通報したというのだ。
また調査によって、複数回ヘイトクライムに遭ったことがある被害者が数多く存在することも明らかとなった。実に35%もの被害者が過去に5回以上もヘイトクライムに遭遇しているのだ。
ヘイトクライムの被害内容の内訳は、言葉の暴力、身体的な暴力、サービスの提供の拒否などだった。
プライド・イン・ロンドンの共同代表であるアリソン・キャンプスとマイケル・サルターチャーチは、調査結果について「報告されているヘイトクライムは、氷山の一角に過ぎないだろう」と述べている。
「LGBTの人々は、日々の生活の中で意識的・無意識的な小さな攻撃、つまり『マイクロ・アグレッション』を受けています。同性カップルのためにダブルベッドの部屋をわざわざお願いしないといけなかったり、路上で手を繋いでいたら変な顔をされたり、ということが例として挙げられるでしょう。このような一見小さく見える事柄にも、人々の意識を向けていく必要があるでしょう」
「我々のプライドは2017年でプライド50周年を迎えました。我々は、これまで半世紀にわたって、前進してきました。しかし、我々の調査が示すようにLGBTに対する風当たりはまだまだ強いのが現状です。LGBTであるだけで、ヘイトクライムに遭う確率が2倍になるのです」
同調査の回答には、1,140人のロンドン在住のLGBTの人々が協力した。