10人中9人の少年が、嫌がらせやいじめ、からかいを通して「男らしくあること」の苦痛を経験しているという調査結果が発表された。
調査は性の平等を目指す団体「AWARE」によって実施され、調査結果は809人の男子中高校生の回答を元にしたものである。
調査結果によると、事実上、97%の男子中高校生が「ゲイっぽい、女っぽい」として、からかいや暴力を受けたり、同じ理由でからかったり暴力をふつったりしたことがあるという。
また、82%の調査協力者が、男子中高生や、トランスジェンダー女性に対し暴力を振るったことがあり、74%が同じ理由で暴力を受けたことがあることが明らかとなった。
さらに20%以上の回答者がトランスジェンダー女性に対し暴力的で、トランスジェンダーの人々がいるところへわざわざ赴き、嫌がらせをしていることも判明した。
「男らしくしなければならない」と感じている少年は、一般の4倍も他の少年に対し暴力を振る確率が高く、6倍暴力を受ける確率があるという。また、そのような少年の自尊心が低いことも分かった。
「AWARE」のアドボカシー・リサーチ部代表を務めるジョリーン・タンは「「男らしさ」の重圧に直面している少年は、他の少年に対し「男らしくない」という理由で身体的・精神的な暴力を振るう可能性があるということです」と述べている。
「親や先生は、少年の教育の仕方について振り返るべきかもしれません。『男らしく』や『女々しい』などという表現は、暴力を助長しているということなんです」
調査では、他にも以下のことが明らかになっている。
・「女っぽい」「弱い」と見られている少年の中には、性的虐待にあっている少年もいる。
・「女っぽい」「弱い」と見られている少年は、「友達がいない」「仲間に入れてもらえない」「からかう話題の対象になる」など社会的に排除されている。
・「女っぽい」「弱い」と見られている少年に対する暴力は「当たり前のこと」「些細なこと」として扱われている。